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nao.のたまに行くならこんな店 「感情」
- 2023/03/13(Mon) -

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六本木いる見知らぬ鴨/感情

六本木にある「感情」に初訪問。このお店のウリは日本刀の材料である貴重な「玉鋼」で焼かれる鴨焼き。特に猟期である11/15〜2/15までは天然物との食べ比べができる貴重な期間で、その期間にご縁あって行かせていただきました。

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お店は六本木ミッドタウンからすぐの立地ですが、外に看板などはなくて入口も紙に鉛筆で「感情」とあるだけの隠れ家的なお店です。店主の豊田 仁さんはフレンチの「INUA」「アニュ」などや中国料理の「桃仙閣」で研鑽を積まれてた方で、更には祖父が寿司職人、父がフレンチ、叔父が蕎麦店という異才極まりない方。

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京都の建築家・木島 徹さんが手がけた店内は7席のカウンターのみで、中央にある綺麗な炭台にある備長炭が静かに呼吸して玉鋼を熱しながら、今夜の主役を待ち侘びています。


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十割蕎麦/産土 Ubusuna 山田錦
茨城県産の「常陸秋そば」を使って、毎日手打ちしているという十割蕎麦。右側にある塩をかけていただきます。
塩で輪郭を確りした蕎麦は甘く、香りもいい。


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ホワイトアスパラガスのパン粉揚げ/DONNHOFF GRAUBURGUNDER “S” TROCKEN
佐賀県産のホワイトアスパラガスにパン粉をつけて揚げて、仕上げに自家製唐墨を削りかけたもの。
走りのホワイトアスパラガスの甘味を唐墨がより引き出していて美味しい。さっぱりとした中で油っぽいものがとてもいい。


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泥障烏賊
神奈川県佐島産の泥障烏賊に細かく包丁を入れ、周りに卵黄をかけて、仕上げに酔っ払い蟹の紹興酒をかけます。
泥障烏賊のねっとりと舌に絡みついて甘味を出し、蟹の旨味の効いた紹興酒のコクと甘味が素晴らしく映えます。食感では蕎麦の実があり、完成度の高いひと皿。


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鴨鮨/賀茂金秀 SUITOH 雄町
オリジナルのブランド鴨を使い、鮮度がいいので胸肉を生のまま軽く昆布締めにする仕立て。シャリは鮨職人である豊田さんの祖父のレシピで作っており、紹興酒・濃口醤油を煮詰めたものを塗って供されます。
鴨と言われなければ、全く分からない。雑味がなくてクリアな味わいで、血を感じない鮪の漬けのようなイメージ。


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鴨饅頭/Dom. de la Bongran Viré Clessé Cuvée E. J. Thévenet
百合根で鴨のミンチを包み、銀餡をかけて上に地がらしを乗せて。
肉饅みたいなこの百合根がモチモチとして優しい甘味が口に広がり、鴨の旨味が後から追いかけてきます。地からしの確りとした辛味も全体的に味を締めており美味しい。


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金目鯛の炭火焼き/MINAKI 極幻
ふっくらと焼き上げた金目鯛に桜海老揚げと葱・山椒のピューレを添えて。
金目鯛の旨味を感じ終えると、ピリピリとする山椒の刺激が印象的。中国料理の「椒麻(ジャオマー)」というソースをベースにしているそうで、フレンチと中国料理で修業された豊田さんならではのアプローチ。


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鴨焼き/ROSSO DI MONTALCINO
日本刀の原料でもあり、戦後は日本刀を作る以外には使用を禁止されている貴重な「玉鋼」を使った鉄板で一枚一枚丁寧に焼かれる鴨焼き。合間に大根の鬼おろしを食べていきます。


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①合鴨ロース
まずは養殖ものの合鴨ロース。変な雑味やクセがなく、旨味も綺麗で美味しい。


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②青首鴨ロース
エトフェ(窒息)させて、身に血の旨味を巡らせた鴨肉は赤黒い身が特徴的な。口に入れると確りと厚みもあり、力強さを感じます。それでいて血などのクセは微塵もなく、旨味が強い。後味は甘味があり、余韻に浸れる美味しさ。


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③龍神しいたけ
和歌山県産のブランド椎茸。咀嚼すると、溢れてくる旨味が凄い。そして、鴨の甘味でしょうか、残る甘味が美味しい。


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④合鴨のササミ
ふわりとした食感で、喉を通る瞬間も美味しい。


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⑤芽キャベツ
鴨脂で焼いた芽キャベツを自家製中濃ソースで。食べると、芽キャベツの甘味がきて、ソースのスパイシーが広がります。まるでお好み焼きみたいな味わい。


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⑥合鴨のハツ
プリッとした食感の中でとろりととろけるハツ。


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⑦千住葱
鴨脂で焼いた千住葱。葱がフルーツのようにとても甘い。


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⑧合鴨ロース
再びの鴨。


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⑨青首鴨ロース
そして、再びの天然物。

養殖と天然の食べ比べは甲乙が付け難い美味しさがありますが、私は天然物が好き。玉鋼で焼くのを初めて見ましたが、炙るような感じでさっと焼いており、ふわりとした食感で驚きます。脂が甘いとか肉が力強いとかではなく、ふわふわな食感の中で雑味ない純粋無垢な味わいで、ちょっと味わったことのない鴨です。


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蕎麦
心地よい喉越しで、香りも鼻から抜けます。〆の蕎麦湯もポタージュのようなトロトロさがあり、美味しい。


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鴨と芹の蕎麦
このつゆは鴨肉のミンチから引いたコンソメだそうで、更に鶏油を入れてコクを与えて、青柚子で爽やかに仕立てている極上な鴨南蛮です。


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水羊羹
蕎麦の後に小豆の香りを楽しんで欲しいという豊田さんの思いがこもった水羊羹。甘さは控えめで、小豆の味が強い。


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ハールレモネのアイス
静岡県三松園の『ハールレモネ』という品種のレモンを使ったアイス。レモンらしくなく、まるで八朔のような味わい。


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兎も角、鴨の美味しさが異次元的。豊田さんの技術力を土台として、玉鋼という特殊な道具なのか?特別な鴨だからなのか?分かりませんが、ふわりとした食感と上品な旨味は全く知らない鴨です。その他の料理も和食経験がないのが功を奏して実に独創性があり、美味しい。主役の鴨焼きをもっとガッツリと食べたいところですが、一枚一枚を焼いていくスタイルなので、美味しさも魅せるライブ感もあってアリ。天然物の猟期以外では養殖物の色々な部位を提供しているそうで、それはそれで楽しみ。若いソムリエが選ぶ日本酒やワインと共に鴨を嗜み、蕎麦で〆る。なかなか粋なお店だと思います。

感情
東京都港区六本木4-12-5 六本木144ビル 3F
080-5122-4125
日本料理 / 六本木駅乃木坂駅六本木一丁目駅

夜総合点★★★★ 4.5



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