nao.のたまに行くならこんな店 「銀座きた川」
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- 2023/01/24(Tue) -
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![]() 2022年9月にオープンして以来、瞬く間に予約困難になった銀座にある日本料理店「銀座きた川」。店長の北川 一行さんは、日本屈指の名店「銀座しのはら」で2番目を担ってらした方で、このお店のオープンにあたって「銀座大石」「鮨なんば」「鮨龍次郎」「成生」と錚々たる名店で短期研修をしており、このお店に対しての強い拘りが感じられます。 店舗は「銀座大石」の真上にあり、和風の10席のL字カウンターが広がり、目の前に天麩羅鍋が鎮座するちょっと?と思う造り。コースはおまかせコースのみで、「銀座大石」の影響なのかワインも豊富にあるようです。 ![]() 御献立 ![]() 汲み出し 金時人参のすり流し 「銀座大石」の技術が光る魚の出汁と金時人参を合わせたもの。最初は魚の出汁の味わいがし、その後に金時人参の甘味が広がります。 ![]() ![]() 前菜 ・緑茶で燻製した北寄貝のぬた和え ・林檎のチップで燻製した塩辛 ・海老芋 キャビア燻製 ・渡り蟹のブランデー漬け ・カワハギの肝和え♡ 蓑籠に入れられた前菜で、白眉なのは『カワハギの肝和え』でしょうか。60度の低温の油で油通しで火入れするという和食ではあまり見かけない技法で作られています。 ![]() 副菜 コンソメと加減酢の煮凍り寄せ 「銀座大石」のアレを彷彿とさせるひと品で、中には雲丹・甘海老・カリフラワーと芋のすり流しが入っています。加減酢がいい仕事をしており、「銀座大石」と同じような構成であっても確りと「和」に落とし込んでいます。 ![]() ![]() 向付 ・牡蠣油通し 実山椒 叩き木の芽 ・鰆 燻製 黄身酢 山わさび♡ 90度で油通しした牡蠣は甘味が引き出されており、実山椒の鮮烈な刺激が映えます。そして、大きく切りつけられた鰆は揚げることで火入れし、更に藁と胡桃で薫香をつけています。さわやかな山わさびの中で、柔らかい黄身酢の味わいが美味しい。 ![]() 椀物 甘鯛 車麩 芽蕪 柚子 若狭湾の甘鯛(ぐじ)と新潟「篠原商店」の車麩を合わせた椀物。 確りとかみごたえのある麩が吸い地を吸い、炭火焼きされてプリプリとしたぐじから旨味が吸い地に滲み出しており、なかなか力強い味わいです。 ![]() お凌ぎ 鯖の棒寿司 ゴマみそ酢 山葵 船上で神経〆して、更に丘でも神経〆している鯖だそうで、全く青魚のクセなどがなくて、ただただ旨味のみが濃厚。更にゴマみそも加わっているので濃厚すぎるからこそ、山葵だけではなくて、シャリにももうひと捻りが欲しい。 ![]() 焼物 のど黒 山椒醤油 炭火で焼いたのど黒に山椒醤油を付けて供され、下に敷いたレタスと共に食べることを勧められます。日本料理でレタスとは珍しいのではないでしょうか?しかしこのレタスがいい仕事をしており、のど黒の脂をいい塩梅で受け止めています。 ![]() ![]() 油物 松葉蟹真薯 蟹味噌餡 兵庫県津居山産の松葉蟹を使った真薯で、鯛のすり身が多少入っているそうですが、ほぼ蟹。酸味のある蟹味噌餡が蟹の甘味の輪郭をはっきりさせており、蟹の存在感を高めています。 ![]() ![]() 強肴 すっぽん串焼き 菊菜胡麻和え♡♡ 身・皮・葱・肝・身で構成されたすっぽん串は、炭火でじっくりと焼かれた後に秘伝のタレをつけて供されます。ひと串ですっぽんの色々な部位が味わえ、実に美味しく、もう数本食べたい。 ![]() ![]() 鍋 猪と茸の鍋 卸し蕪 柚子 滋賀県三雲産の雌の猪を使い、芹とクレソンを入れて、仕上げすりおろした蕪をかけたみぞれ鍋。 猪の旨味を活かすような薄味の鍋で、すりおろした蕪であっさりと食べられ、出汁の旨味を吸った蕪もまた甘く美味しい。 ![]() 飯 一膳目 天ばら♡ 季節によって変わるそうですが、烏賊・小柱・牛蒡・アスパラを使い、塩昆布で味付けをした天ばら。塩昆布が絶妙な塩加減と旨味を与えていて、美味しい。 ![]() ![]() ![]() ![]() 二膳目 白飯♡ 二膳目は白飯で、お供として近江牛を入れた朴葉味噌となめ茸とじゃこが一緒に供されます。中でもこの朴葉味噌が格別に美味しくて、白飯が全く足りない。でも白飯も朴葉味噌もおかわりは出来るので、無限に食べられそうです。 ![]() 三膳目 卵天ご飯♡♡ カウンターの隅にあった「アローカナ」という青い卵を使った『卵天ご飯』も追加できるとのことで、勿論追加。北川親方が「アローカナ」を油の中に割り入れて天ぷらにして、削りたての鰹節と共にいただく、温かいTKGのようなものです。生卵があまり好きではないのだ、普段からTKGは食べないのですが、コレは美味しい。そのままで食べると、鰹節の旨味で卵の旨味がかき消されてしまうので、確りと混ぜ合わせるのがコツかな。 ![]() 止椀 野菜出汁を使った赤出汁 ![]() 菓子 栗金団 ![]() 和食でこの時期ならば『蟹』が主役なのかと思っていたら、登場せず。カウンターに天麩羅鍋があったので、何となく想像はしていましたが、素材の油通しや〆のご飯で使う機会が多く、「揚げ」が「銀座きた川」の見せ場なのかもしれません。和食には珍しく薫香などの香りにもアプローチしているようで、想像していた和食とは違う印象を受けました。ジャンルを超えて短期研修で得た技術と「銀座しのはら」で培った和食との融合が「銀座きた川」の完成形なのかと思いますが、次回の訪問時にどのように進化しているのか楽しみです。
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