nao.のたまに行くならこんな店「茶禅華 #8」
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- 2021/01/07(Thu) -
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![]() 冬の訪れ、蟹、香り 広尾駅から有栖川公園方面に向かい、南部坂を上る。なかなか急斜面ですが、私のいつも足取りは軽いのは約束された美味が待っているからです。やってきたのは、「茶禅華」。先日発表されたミシュランで、日本の中国料理店で初のミシュラン***に輝いたお店で、シェフは「和魂漢才」を掲げてらっしゃる川田 智也さん。出汁や炭火焼きなどの和の技法を歴史ある中国料理に融合させた料理は、繊細な美しさを放つ力強い料理になり、多くのゲストを魅了しています。 ![]() 今回は旬を迎えている『上海蟹』を使ったコースをお願いしました。 ![]() 師走 菜譜 ![]() 香決明子 まずは香りを楽しむ料理から。台湾の『決明子』というお茶に鶏出汁を合わせ、極細の三輪素麺を浮かべたもの。極細ながらもプツンという歯切れの良さを感じられ、お茶の味わいの後に鶏出汁の旨味がグッときます。 ![]() 東方美人スパークリング 今回もティーペアリングにしたので、まずは定番スターターの台湾茶『東方美人』を使ったオリジナルスパークリングティーです。弾ける清涼感の中で香りが立ち上ります。 ![]() ![]() 黄金皮蛋♡ 四川では定番という鶏の卵を使った皮蛋。日本には冬の時期しか入荷して来ないそうで、「茶禅華」ではこの時期の定番料理。 構成は下から濃厚な黄身部分、豆乳と合わせた白身、金色に煌めくゼリー状の部分は紅茶と合わせてあります。舌に絡みつくようなねっとりとした黄身の濃厚な味わいが、食べ終えても尚、続くような余韻の長い味わい。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 脆皮響鈴/京都甘露♡♡ 「茶禅華」の新作の上海蟹料理は、なんと揚げ雲呑。右と左の揚げ雲呑にはそれぞれ雌と雄の上海蟹の身がたっぷりと入っており、その上に蒸し立てのそれぞれ雌と雄の蟹味噌を乗せていただきます。 超絶に美味しい♡個人的に上海蟹は蒸したものが一番かな?と思っていましたが、想像を超える美味しさ。蒸蟹にはないパリッとした食感の中で、火を通すことで香りや旨味が増した蟹のインパクトが素晴らしい!更にペアリングする『京都甘露』の甘味を上乗せして、爽やかに流し込めます。 ![]() ![]() ![]() 酔大閘蟹/宮廷金毫普洱茶♡ 上海蟹の雌を紹興酒に漬け込んだ酔っ払い蟹。内子と卵の濃厚・濃密な味わいととろけるような身のが実に美味しい。濃縮したような『宮廷金毫普洱茶』の旨味が蟹の旨味に負けることなく映えます。 ![]() ![]() ![]() 酔大閘蟹/生姜入り宮廷金毫普洱茶♡ 続いては、まさかの雄を使った酔っ払い蟹。雌雄の食べ比べができるとは想像していませんでした。蟹味噌自体は雌よりかは淡白な味わいですが、雄はこの時期ならではの楽しみの白子があります。この白子が舌に絡みつくようで、ねっとり感は雌以上。この白子があるならば、身も美味しい雄の方が好みかも。 ![]() ![]() 酔大閘蟹(爪) まだまだ続く上海蟹の味わい。次に供されたのは、爪の部位。左が雌、右が雄になります。やはり身は雄の方が好み。食べた瞬間のアタックが素晴らしい。 ![]() ![]() 橘子海蜇/大雪山野生茶 くり抜いた蜜柑の中にあるのは、食感の異なる部位を入れたクラゲ。心地よいコリコリ食感の中で、蜜柑の柔らかな酸味が映えます。そこに『大雪山野生茶』を合わせることで、この料理にはない甘味や香りが加わり、完璧な味わいが口の中で完成します。 ![]() 雉子呑湯 「茶禅華」のスペシャリテである雉のスープ。今回は百合根と朝鮮人参を入れてありました。繊細ながらも奥行きのある味わいで、身体に染み込んでいく感覚を覚えます。 ![]() ![]() ![]() 四川鶏翅/薫香正山小種♡ 茶室のようなダイニングに響く鍋を振る音。おそらくはこの料理を作ってらっしゃるのでしょう。壺の蓋を取ると、いっぱいに入れられた唐辛子と山椒の刺激を目と鼻で感じ、その2種の唐辛子に埋もれているのは、上海蟹の餡を詰めた手羽先。突き抜けるような「麻」と「辣」の刺激の中で、手羽先と上海蟹の餡の旨味が実に素晴らしい。ペアリングする『薫香正山小種』で、確りと辛味を洗い流せるのも○ ![]() 紅玉と話梅 口直し。紅玉には酢橘をかけて酸味を与えており、より爽やかな仕立てになっています。以前からこの口直しの料理を食べると、「ああ、やはりヘンタイなのだな」と思ってしまいます。勿論、ヘンタイは褒め言葉ですがw ![]() ![]() 鴛鴦蒸蟹/翠峰♡♡ 本命とも言える蒸した上海蟹。上には雌の蟹味噌、身は雄で下には雄の白子を入れてある、まさに究極の上海蟹と言っても過言ではない料理です。別に供される生姜を入れた黒酢と共に食べると、より味の輪郭がハッキリとして美味しい。 爽やかな『翠峰』の味わいでスッと口の中をリセットでき、無限ループとも思える味わいが楽しめます。 ![]() ![]() ![]() ![]() 蟹黄魚翅/岩茶奇蘭♡♡ 贅沢に青鮫の真ん中の部位を使ったフカヒレの姿煮。餡はこの時期ならではの上海蟹をたっぷりと使っています。バリバリとした青鮫の食感に旨味が詰まった餡が素晴らしく、決して上海蟹の旨味に飲まれることないスープの美味しさを確りと感じられます。 『岩茶奇蘭』の華やかな香りがこの料理に更なる完璧を与えてくれます。 そして!食べ終えると、中央に供されるのは白トリュフ。今年はヨーロッパから実にいい品が届くそうで、蠱惑的な香りに魅了されます。先程の上海蟹が入った餡で作ったおじやの上から白トリュフを削っていただきます。香りの反芻をするかのような白トリュフの香りが素晴らしく、贅の極みと言った料理。 ![]() ![]() 翠玉白菜/阿波番茶 豪華な食材のオンパレードの後で、野菜を使ったシンプルな料理を供するという落とし所が面白い。今回は、広東白菜の腐乳炒め。ザクッとした白菜の甘味が腐乳の酸味で際立ち、ペアリングの『阿波番茶』を飲むと爽やかに消えるというまるで漬物のような味わい。 ![]() ![]() ![]() ![]() 茶禅小鴨/特貢祁門紅茶♡♡ 今夜は小鴨(サルセル)を使ったメイン。初めに「まるで眠っているようでしょう」と油をかけて皮目を固めた調理途中の小鴨を見せていただき、そこから更に炭火で仕上げたものを半羽で供されました。一皿で胸肉・手羽・腿肉を楽しめ、薄いながらも皮目はパリッとしており、咀嚼すると肉の旨味がグッときて一体感を感じられます。素晴らしい美味しさ。 香り高い『特貢祁門紅茶』がこの料理に華やかさをプラスしており、一見ワイルドな料理を見事に昇華させています。 ![]() ![]() 清湯麺 上海蟹のXO醬添え♡ 定番の〆麺料理は、麺だけなのですが…このスープが無限に飲み続けられるほどに美味しい!上海蟹のXO醬を入れることで、ガラリと味わいが変化し、二度美味しい仕立てになっています。 ![]() ![]() 白子入り麻婆豆腐♡♡ 「今夜はいい白子があるので、麻婆豆腐はいかがですか?」という問いかけに頷く以外の答えがあるでしょうか、いや、ありません。 土鍋には川田シェフのご親戚が作られているコシヒカリが艶々に輝き、ご飯だけでも十分に美味しい。そこに旨辛の『麻婆豆腐』というマリアージュは、たまりません。非常にコクのある旨味の中で、白子の驚くほどのクリーミーさがこの辛味や痺れを忘れさせるほど。最高でした! ![]() ![]() ![]() 椰子草苺 構成は上からココナッツアイス・グレープフルーツ・フィンガーライム・イチゴ。まずはココナッツアイスを少し味わってから、別に供されるタピオカ入りイチゴソースをかけていただきます。 濃密なイチゴソースで、ココナッツのコクとグレープフルーツ・フィンガーライムの酸味とイチゴの甘味の一体感が増し、デザートとして最上の味わいです。 ![]() 温冷杏仁豆腐♡ 「温かい杏仁豆腐がまた食べたい」という気持ちが伝わったの?と思うほどのタイミングで供されました。右には冷たい杏仁豆腐、左に温かい杏仁豆腐があり、冷たいのは所謂よく見るものなのですが…温かいのは衝撃が走る美味しさ。「何故、温かい杏仁豆腐はないのだろう?」といつもコレをいただく度に思います。 ![]() 胡麻湯圓 冬の新作デザートは、白茶の『野生白芽』に浮かぶ白胡麻団子。まず驚くのが咀嚼するとふわっととろけるような団子の食感、そして白胡麻餡のジャリとした食感の中で甘味が広がり、花の香りを纏う『野生白芽』で流し込むという一体感を感じられる味わい。 去年も『上海蟹コース』をいただいているのですが…今回は想像を超える素晴らしさがありました。雌だけでなく、雄も美味しい時期になったということもあるでしょうが、『酔大閘蟹』での食べ比べや究極とも言える『鴛鴦蒸蟹』は最高の味わいでした。そして、『脆皮響鈴』は包むことで香りが口の中で爆発するように広がり、雌雄の味わいの違いも分かるような仕立てであり、さすがのセンスを感じました。 力強いダイナミックな料理もあり、儚い美しさのある料理もある「茶禅華」の料理を食べることができたという幸せがまた帰りの南部坂の足取りを軽くするのです。 川田シェフ、大下さん。今回も素晴らしいひと時をありがとうございました!来年もまた感動を楽しみにしています。60500
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