nao.のたまに行くならこんな店「東京和食 五十嵐」
- 2018/04/26(Thu) -
これはある一人の男が作り出した情熱の塊。

2018年3月、東京のど真ん中に「東京和食」という新ジャンルを掲げてオープンしたお店があります。

「東京和食 五十嵐」

IMG_1226.jpg


「銀座 奥田」の料理長であった五十嵐 大輔さんが独立されたお店というだけでも充分に話題なのですが、一番話題になっているのはオーナーの存在。お店の内装・設え・器などの細部に至るまで既製品はなく、全てこのオーナーの情熱に心動かされた方々の作品ばかり。特に予約システムは他店とは大きく異なり、オーナーのFacebookで管理されています。つまり、このお店に行く為にはオーナーとFacebookで繋がっていないとダメということになります。私はオーナーさんと面識はありませんでしたが、某グルメサイトで繋がりがあって、今回訪問することが出来たわけです。


IMG_1142.jpg


当日。
当然、身構える。初めて行くお店というだけでも身構えるのに、100%ではないにしろお互いの事を知っているからです。ネットで知り合った方と食事をするオフ会みたいな感じでしょうか。
定刻になると、階下でオーナーが出迎えて下さり、ちょっとした儀式をして「東京和食 五十嵐」の門が開かれます。

30709133_370966753399394_4944272622083899392_o.jpg

店内は優しい照明で照らされる檜の一枚板のカウンターが美しく輝いており、贅沢に壁は二酸化炭素を吸って酸素を吐き出す漆喰で包まれ、ゲストを待ちわびる椅子さえもオーナーの特注品。壁には抹茶椀が飾られていて、その全てがこのお店に協力された作家さんの作品達。勿論ただの飾りではなくて、後ほど実際にその抹茶碗を使って、お茶を点ててくれるらしい。
一斉スタートということで、皆が揃うまで料理長の五十嵐さんからご挨拶をいただきました。全員が揃うと、料理スタートではなくて、オーナー自らがこのお店の全てを案内してくれます。文字通り「全て」で、オーナーのFacebookにあったアレやコレまでも惜しげもなく見せて下さいます。オープンから見守ってらした方には、とても嬉しい計らいです。


4月の献立


IMG_1228.jpg
熟成利尻昆布の一番出汁
利尻昆布を水出しで抽出して、削りたての鰹の一番出汁をそのままで。飲み終えると、思わず「あぁ…」と溜息が溢れる味わい。


IMG_1229.jpg
焼き河豚白子の茶碗蒸し
白子の無垢な濃厚さ、すり流しの豆の甘さ、キャビアの塩気を底にある茶碗蒸しが優しく包み込むかのよう。見た目も美しい。


IMG_1171.jpg
箸休め3種
(右)紫人参・紅しぐれ大根・金柑の紅サラダ。(中央)京都府塚原産の筍を加えたちりめん山椒。(左)叩き胡瓜。箸休めにしては、かなり豪華な3点盛り。しかもおかわり自由という大胆さ。これだけでもお酒が飲めます。


IMG_1172.jpg
焼き蛤、焼き鳥貝と春菜のゼリー寄せ(器:伊藤 千穂)
炭火で焼かれた蛤と鳥貝はどれも大きく肉厚で、確りと甘みがあって美味しい。春菜の蕨・こごみ・たらの芽をそれぞれ違い仕込みを施して柑橘ゼリーと合わせており、苦味の中に爽やかな酸味があります。貝の甘味、春菜の苦味が相乗効果を成す素晴らしい逸品。


IMG_1173.jpg
海老しんじょ
五十嵐シェフのスペシャリテ。蓋を開けると、蕗の香りがふわりと香り、繊細な吸い地の旨さの中で、粗めに仕上げて存在感のある海老の甘さが映えます。実に美味しい。


IMG_1174.jpg
虎河豚
長崎県の天然の虎河豚の身には、北海道余市産の鮟肝を巻いてあり、淡白な味わいの虎河豚に絶妙な濃厚さを与えています。それぞれ足りないものを補うような料理です。


IMG_1177.jpg
喉黒の塩焼き
炭火で焼いた喉黒に京都府塚原産の筍と京都しろ菜の薄葛仕立ての煮浸しを合わせて。出汁は炒り米と干し椎茸からとったもので、そこに喉黒の脂が加わり、完成する出汁の味わい。大きく切りつけた喉黒はフワフワで、脂もたっぷり。この脂が出汁に溶けていくことで、出汁の旨さが加速していきます。食べながら完成していく料理です。


IMG_1178.jpg
赤貝のお造り 花山葵と海苔を添えて(器:西岡 悠)
赤貝が抱いているのは、煮付けた佐賀県産の海苔と花山葵。赤貝の香りは海苔に負けてしまっているけど、この味わいはいい。底にあるヒモの部位は酢橘の爽やかさを加えており、最後はさっぱりとします。


IMG_1179.jpg
紅花一番絞りの天ぷら(器:西岡 悠)
空豆・タラの芽・椎茸・蛍烏賊。この中で秀逸なのは、椎茸と蛍烏賊。椎茸はむっちりとしており食べたことのない食感が楽しく、美味しい。そして、一番最後に何もつけずに食べてほしいという蛍烏賊。生の蛍烏賊を蒸して揚げたそうで、わたの濃厚さが口いっぱいに広がり、実に美味しい。蛍烏賊は天ぷらがいいかも。


IMG_1180.jpg
春菊のスムージー
春菊の苦味はなく、後味に春菊の香りと爽やかな味わいが駆け抜けていきます。天ぷらの後としても、単体でも充分に美味しい。


IMG_1194.jpg
五十嵐の「肉料理」3種(器:福山 一紘)
3種の肉はそれぞれ部位や産地も違うという珍しくも嬉しい構成。食べる順序もあって、まずは奥にある但馬牛のヒレ肉で包むTKG。このヒレ肉っていうチョイスが実によく、濃厚なTKGに脂の多い部位ならばクドくなってしまうところです。
次に黒胡椒を二粒乗せていただく土佐赤牛の三角バラの醤油粕漬けは、サシもありながらも赤身の旨味が強くて、この中では一番美味しい。続いて、玉葱と黒酢のソースをつけた山形県黒毛和牛のハラミ。これは黒酢が脂の多いハラミの脂を覆い隠すようで、後味も軽やか。最後にまた三角バラ、残りの黒胡椒を乗せていただきます。長い余韻に浸れる肉料理は、久しぶりです。


IMG_1196.jpg
蜆汁
一晩かけて抽出した蜆汁は、あのCMみたいに濃厚。でも確り美味しい。常備したいくらい。


IMG_1202.jpg
炭火焼き太刀魚の酢飯乗せ
炭火で焼いた千葉県竹岡産の太刀魚を赤酢のシャリと共に。よく焼物で供される太刀魚ですが、同じ焼いたものならば鮨にする方が断然美味しい。


IMG_1203.jpg
海胆と白海老の手巻き寿司
手巻きで供されたのは、「はだて水産」の紫海胆と富山湾の白海老。海苔のとけ具合、海胆の香りの華やぎ、完璧です。


IMG_1206.jpg
炙りばちこと九条葱と高野豆腐の吉野煮
半生のばちこを炙り、九条葱・壬生菜・高野豆腐をカサゴの出汁で吉野煮にしたもの。半生のばちこなんて、初めて食べました。ノンアルコールだったのが、この料理ほど惜しまれたものはありません。


IMG_1215.jpg
鰻の小丼
岡山県産の青鰻を地焼きにして、小丼に仕立てます。パリパリとした食感に、鰻の脂がじゅわりと広がり、美味しい。欲を言えば、もっと欲しい(笑)


IMG_1217.jpg
十割蕎麦(器:福山 一紘)
〆は五十嵐さんが毎日自ら打っているという十割蕎麦。「銀座 流石」出身の五十嵐さんの自信の十割蕎麦で、蕎麦つゆと胡麻汁が出される中で、オススメの胡麻汁と山葵で食べてみると、まさにAmazing! 実に美味しい。喉越しの良い蕎麦だけでも美味しいし、この胡麻汁はヤバイです。所謂、胡麻っぽい味わいではなく、胡麻の濃厚さだけを残していながらもキリッとしていて、他店でもこの胡麻汁で食べたいと思う味わい。
またこの蕎麦は、最後に二八蕎麦として打ったものと胡麻汁をお土産として頂けるという。至れり尽くせりのサービスです。


IMG_1219.jpg
せとかのシャーベット
フレッシュせとか・せとかのシャーベットをスパークリングワインで満たしたスペシャルなミモザ。和食でありながらも、この演出が東京和食という新ジャンル。


IMG_1224.jpg
お抹茶
最後はわらび餅と五十嵐さん自らが点ててくれるお抹茶。抹茶碗は壁に飾ってあった数種類ある中から好きなものを選ぶことができます。焼物の知識がないことがとても残念。


IMG_1204.jpg


一斉スタート制は同時に同じ料理を食べるという同調効果で、隣席の方と話す機会もあり、手が届きそうな距離で調理される臨場感はエンターテイメント制が高い。こういうお店は都内に多いと思いますが、オーナーの料理の説明やジョークを交えたトークがこのエンターテイメントの世界を更に加速させていきます。まるで、不思議の国へと誘う白うさぎのようです。オーナーは3カ月で完全に裏方に徹するそうですが、いらっしゃった方がこのお店は輝く気がします。
Facebook経由の予約システムなので、一見の方でも名前で呼ばれるという常連客が感じるポスピタリティも高く、おそらくは席も隣席と話が合うような配慮をしているのかなと思います。
料理はどれもハズレがなく、純粋に美味しい。手間をかけて作っておられる熱意が伝わってきます。なかなか予約が取りづらい状況みたいですが、是非ともまた再訪したいお店です。


食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
スポンサーサイト
この記事のURL | たまに行くなら | CM(2) | TB(0) | ▲ top
<<nao.の極みの一杯『太肉涼麺』-支那麺 はしご 本店- | メイン | nao.のたまに行くならこんな店「APICIUS #6」>>
コメント
管理人のみ閲覧できます -
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2018/04/27 16:32  | | #[ 編集] |  ▲ top

Re: タイトルなし -
コメント、ありがとうございます。

5月に行かれるということは、もうバックヤードツアーはしないかもです。
鮎料理が出るようなので、楽しみですね。
2018/04/30 01:50  | URL | .nao. #-[ 編集] |  ▲ top


コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://lovehappydays.blog54.fc2.com/tb.php/2091-3942a6f3
| メイン |