古典文シリーズの最新刊
「ふたりの距離の概算」を読破。途中の話はアニメで既に見たり、これから見れるだろうと思い、一気に最新刊に手を出したわけです。
この「ふたりの距離の概算」の内容ですが、二年生になった奉太郎たち古典部に新入生の大日向友子が仮入部する。奉太郎、える、摩耶花、里志とも仲良くなり、このまま入部するかと思いきや、「千反田先輩は、菩薩のような人ですね」という言葉を残して、古典部を去っていく。奉太郎はマラソン大会を利用し、過去を思い出しながら、「何故、大日向は突然に古典部を辞めていったのか?」を推理していくストーリーです。ちなみに「ふたりの距離」とは、マラソン大会での奉太郎とえる達の距離であり、それぞれの人間関係のこと。
感想としては、一度読んでから「え?そんなこと言ってたっけ?」と思いながら、じっくりと読み直しができる作品。そのくらい色々なところに伏線が張り巡らされています。あと「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」がモットーの奉太郎の心境の変化にも注目べきところです。
「去年の俺であれば、千反田がやったと考えていたかもしれない……しかし、この一年。すべてではないとはいえ、いやほんの一端に過ぎないとはいえ、俺は千反田のことを知った。千反田の叔父の話を聞いた。ビデオ映画の試写会に連れて行かれた。温泉宿に合宿に行った。文化祭で文集を売った。放課後に下らない話をした。納屋に閉じ込められた。雛に傘を差してやった。だから違うと思った」
「千反田が人を傷つけるわけがない」という気持ちで、奉太郎は真相を探ります。「わたし、気になります!」という言葉で巻き混まれるわけではなく、自ら動くというのが、1年前とは明らかに違うわけです。また風邪をひいた奉太郎の家にえるがお見舞いに来たことを、必死に隠そうとする奉太郎とえるの姿も微笑ましい。確実に「ふたりの距離」も縮まっているみたいです。
結局、誤解はとけても「入部しない」のですが、それでいいのか?と思い始めている奉太郎。ついに省エネ主義も返上なのか?次刊の展開が楽しみです。
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