nao.のたまに行くならこんな店「並木藪蕎麦 #3」
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- 2019/02/14(Thu) -
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![]() 寒くなると、無性に食べたくなる蕎麦があります。冬に旬を迎える食材である「鴨」使った蕎麦、『鴨南蛮』です。今の時期は提供しているお店は数あれど、気に入っているのは浅草にある老舗蕎麦店「並木藪蕎麦」のもの。かんだやぶそば・池の端藪蕎麦と並び、「藪御三家」の一角を担うお店として有名で、甘みの少ないキリリとした醤油香る濃い目のツユでいただく蕎麦は、本来の蕎麦の風味を味わえるよう余計なものを捨て去ったストイックさを感じます。 ![]() たいてい、外待ちしていることが多いのですが、さすがに16時となればそんなこともないようで、すんなりと入店です。戸を開くと広がるのは、ここだけ時間が止まっているかのような「和」の空間。程なくして出されるお水でさえ、このお店の雰囲気にぴったりです。注文は、勿論『鴨南蛮』。 ![]() 少々小ぶりな器には分厚い鴨肉と鴨つくねと葱が盛られ、その旨味と脂が染み出しているツユはキラキラと光っています。心地よい喉越しの蕎麦を楽しみ、時折濃い目のツユを啜り、分厚くても非常に柔らかな鴨肉に山葵をつけて味わう。最後は蕎麦湯を入れて、〆。至福と言える時間です。 蕎麦前も多少はあるので楽しめますが、ここではささっと蕎麦を手繰って出るのが粋な楽しみ方だと思います。
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nao.のたまに行くならこんな店「鰻處 黒長堂」
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- 2019/02/08(Fri) -
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江戸時代の四大料理と言えば、「鰻・鮨・天麩羅・蕎麦」。中でも近年は「鮨」と「天麩羅」が群を抜いて高級な食べ物となって、更には食べたい時に食べれないお店が多くなっています。そんな中でも、比較的にまだ手が届く価格帯にあるのが「鰻」。天然鰻が1番高価であることは間違いないですが、養鰻の技術力と職人たちの熱意と拘りで、多くの料理人たちを魅了している養殖鰻もあり、最近注目している食材の1つです。
![]() 「鰻」と言えば、真っ先に思い浮かぶのが池袋のあのお店。代替わりし、更にはネット予約に変わったので、以前よりは比較的に予約は取れるようになったのかもしれませんが、難攻不落のお店には変わりありません。いいお店がないものかとネットをフラフラしていると、店内には天然鰻と養殖鰻が常にあって、食べ比べも出来て、鰻を使った鰻尽くしとも言える料理もあるお店を見つけたので、下見がてらやってきました。 ![]() 六本木ヒルズにある「鰻處 黒長堂」。渋谷や赤坂などに店舗を構える「瓢六亭」の新しい支店です。鰻料理と言うと、うな重・蒲焼き・白焼きが代表的なもので、あとは鰻巻きや鰻ざくや串物あたりが思うつく料理でしょうか。ほぼ確率されている鰻料理の世界で、このお店で提供しているのは『うなしゃぶ』『うなべ』といった革新的な料理。また関東では鰻を蒸してから焼く関東風のスタイルで提供しているお店が多い中で、このお店では蒸さずに焼き上げる関西風の地焼きに拘っています。料理長には、この「瓢六亭」を支えていると言っても過言ではない中村 寿さんを迎えていることから、この「鰻處 黒長堂」に対しての気合が感じられます。 ![]() 場所は六本木ヒルズウエストウォーク5F。「よし澤」や「鳥おか」などの名店が建ち並ぶ同じフロアにあり、漆黒の外観に独特の字体で書かれた真白な暖簾がとても目を引きます。 14時。まだ営業していないお店や中休みをしてるお店が多い中で土日は通し営業をしているらしく、営業中。本日限定で、『天然鰻』が多少リーズナブルに提供しているみたい。食べる予定ではなかったのですが、せっかくなので入店です。店内の奥には天然鰻が入った水槽と(おそらく)養殖鰻がいる桶が並び、その横には鰻を捌く板場があり、間近で見ることが出来るライブカウンターが広がっています。鰻を舌で味わう前に、まずは目で楽しむことが出来る素晴らしい魅せるカウンターです。 ![]() 注文は、本日限定の『浜名湖産 天然鰻 鰻重』。私以外にお客さんは誰もいないので、捌く前に鰻とか見せてくれるのかな?と期待していましたが…。実際には、既に白焼きしてある鰻をバットから出して焼いて(温めてが正しい?)、タレをつけて提供。なんだ、このカウンターや水槽は飾りなの?期待していた反面、ガッカリ感も大きい。 鰻は確かに身も厚くて、関東風では味わえない表面はパリッと焼かれて身はムチッとした弾力のある歯応えがあり、丸々1匹を使うという圧倒的な存在感があります。ご飯が入っている重箱の底は簀になっており、ご飯を蒸籠蒸しにしているので、かなり熱々の状態にしているのも良いアイデア。これで鰻が捌き立てならば、素晴らしく印象に残った鰻店だったのに…。益々、残念でなりません。12960
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nao.のたまに行くならこんな店「CHIUnE #2」
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- 2019/02/02(Sat) -
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![]() 一昨年の9月の訪問時に、次の予約を取ったら翌年の12月しか空いていなかったという予約困難店の1つ新富町にある「CHIUnE」へ再訪です。 ![]() オーナーシェフは、若くして独立を果たした古田 諭史さん。どことなくフィギュアスケートの羽生 結弦さんに似ており、父親はこの近くに「Furuta」を2014年にオープンさせた中華の名手の古田 等さん。こちらも年単位で予約が埋まっているらしい。「CHIUnE」は2019年まで既に予約が埋まっていると聞いていましたが、古田シェフにそのことを聞いてみると…実は2020年まで埋まっているとのこと。地方からの進出店は、どこも年単位での予約待ちを要していて、大丈夫なのだろうか?つい最近、いきなり休業を発表した地方からの進出店もあるので、少々不安になります。 今夜の献立 雲子のムニエル つまり、白子。熱々のを一口で食べることを勧められます。白子の薄皮を感じないほどに滑らかなムニエルで、後味に甘味も感じられて美味しい。 泥障烏賊とビーフンの冷製仕立て 真っ白な外観に、ビーフンのプチプチとした食感と泥障烏賊の身とえんぺら部分のモチモチコリコリとした食感のコントラストが面白い。味わいも泥障烏賊の甘さを感じます。 牡丹海老のオムレツ ♡ 古田シェフがスキレットで1つ1つ作るオムレツ。上に乗せる牡丹海老は生のままで、卵の火入れ時に熱を通す感じ。卵のコクを味わうと、牡丹海老の強烈な甘さが口に広がります。 アルバ産白トリュフ入り コンソメスープ ♡ 前回もいただいた絶品スープ。野菜類は一切入れず、鶏とハムのみでとった完全肉系のスープ。蓋を開けると、ふわりと香る白トリュフの香りが素晴らしい。去年もいただきましたが、一点の濁りもない澄み切ったスープは美味しい。 金目鯛の炭火焼き 蛤のスープで これも前回と魚は違うけど、同じ仕立て。脂がのった金目鯛は皮目をパリッと焼かれており、身は柔らかでとろけるよう。乳白色のスープは蛤の旨味が凝縮しており、変わらずに美味しい。 岐阜県加茂郡産 原木椎茸と卵黄 馬鈴薯ソースで ♡ 画的には、椎茸エッグみたいな料理。卵黄を潰してソースと混ぜて、椎茸に絡めていただきます。変な肉よりもジューシーな椎茸から旨味が溢れ、卵黄の濃厚さに馬鈴薯の甘味が絶妙。椎茸が主役になる料理です。 ![]() 岐阜県木曽川産 真鴨の炭火焼き 古田シェフの故郷の岐阜県木曽川の真鴨をナメコソースと鴨のジュ・柚子胡椒・赤ワインのソースで。 鴨の柔らかさは素晴らしい。鴨の香りと濃い味が広がり、ソースの中にある柚子胡椒の刺激を感じ、炭火焼きの焦げの苦味が最後に残る。食べ終えた後の余韻は続くが、凄く期待していた鴨料理としては…ハードルを上げすぎたかな。 ![]() 天城黒豚の味噌漬け ♡♡ 前回と同じ「CHIUnE」のスペシャリテ。肉は2種類を提供するスタイルは変わっていないよう。岐阜県の郡上味噌・季節のフルーツ・バスク産唐辛子で天城黒豚を漬け込み、炭火で焼いて供されます。 厚さ5ミリほどの豚バラ肉をこれほど愛しく食べることがあるだろうか。フルーツの甘味に豚肉本来の甘味もあるのでしょう、口当たりはかなり甘い。しかしこのくどくない甘味が後を引きます。実に美味しい。決してご飯などは出ることはないですが、間違いなくよくあう味わい。 ![]() 松葉蟹のおじや ♡ いわゆるメロッソですが、『おじや』と呼んで欲しいらしい。松葉蟹の身と蟹味噌がたっぷりと入れてあり、全てを混ぜて供されるおじやは金色になっています。蟹の身の甘味に蟹味噌の濃厚さが加わることで、味わいは累乗して美味しい。 紹興酒アイス 今日届いた卵と牛乳で作る紹興酒のアイス。紹興酒といっても口当たりは牛乳の味わいで、紹興酒はふわりと香る程度。 白茶 食後は白茶とともに、古田シェフとの雑談会。意外にもクラシックフレンチがお好きだそうで、さすがに交友関係が広い。古田シェフが好きと仰ったお店には、私も久しく行っていないので再訪したいな。 料理に集中して食べて欲しいとのことで、11月から基本的に料理の写真撮影は不可になったそうです。ワインと古田シェフが許可した料理だけは大丈夫です。 料理はあまり味を重ねることはせずに余分なものを削ぎ取り、素材の持ち味を生かす「引き算」のような仕立て。確かに感動する料理も数皿ありますが、去年よりも価格設定が高めな中でそれに見合う感動はなく、予約の困難さ(不可能ともいう)を考えると…何ヶ月、何年も待って行きたいお店には入らないかな。2021年の予約は来年早々だそうで、キャンセル待ちならば今も出来るようです。「棚からぼたもち」的なキャンセル待ちで、行くのが私にはちょうどいい。45140
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nao.のたまに行くならこんな店「Osteria Austro #30」
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- 2019/01/29(Tue) -
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![]() 『青首鴨』が食べたくて、去年のうちに予約を入れておいた馬車道にあるイタリアン「Osteria Austro」。一年中ジビエを扱っているお店ですが、トップシーズンの今は特にメニューが賑わっています。予約日当日、竹内シェフから「極上の脂の穴熊、入荷したよ」と連絡を受けたので、本日のスペシャルジビエの『穴熊』に変更して訪問です。 やはり、メニューにはジビエが凄い。『猪』なんて当たり前で、他には『サルセル』や『雉』、『アライグマ』なんてものもあったりします。迷いに迷って、私が選んだメニューは…。 ![]() 千倉直送 黒ムツの炙りカルパッチョ ♡ メニューの85%くらいは肉系料理ですが、実は魚もオススメ。 口に入れると薫香がふわりと香り、炙ってある皮目から溶け出した脂がその身を包み込んでるよう。切りつけも厚くて、魚を食べている!という感じになります。 ![]() 旬のタラの白子の温製サラダ アンチョビバターソース ♡ 冬の名物料理。メニューには記載されていませんでしたが、事前にお願いしておいたので、無事に私のところへ。 表面にまぶしてあるパン粉がカリカリとした食感を与えて、クリーミーな白子の甘さが口のいっぱいに広がります。アンチョビバターソースにも負けない白子の甘さが素晴らしい。 ![]() 下田産 穴熊のいろいろな部位盛り合わせ ♡ 「内臓もあるけど?」の言葉で、内臓も付けていただきました。内臓は、ハツ・腎臓・フワ・レバー・膵臓。身はスネの赤ワイン煮込み・ネック・バラ・モモ・ハラミという本当にいろいろな部位です。なかなかここまでの部位を一度に食べられるお店もないのでは?と思っています。 ジビエは固体差の出る食材ですが、かなりオススメするだけあって、実に素晴らしい味わい。赤身の部位はワイルドなとこもありながらも、噛み締める度に旨味が溢れてきます。白身の部位は歯を押し返すような弾力があって、さらりとした脂の甘味が広がります。内臓も健康的な穴熊だったのでしょう。柔らかな部位などはなく、プリプリシコシコとした異なる食感のリズムが素晴らしい!『青首鴨』も捨てがたい食材でしたが、後悔のない選択でした。 次回はまだ未定ですが、ジビエシーズン中には伺いたいと思っています。今度こそは『青首鴨』をいただこう。 今夜もご馳走さまでした!9730
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nao.のたまに行くならこんな店「うなぎ亭 友栄 #3」
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- 2019/01/26(Sat) -
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![]() 年の始めには、やはり日本らしい縁起の良いものを食べたい。華があるのは「鮨」なのかもしれませんが、私が食べたいのは「鰻」。勿論、大好きな食材ですが、あまり食べ歩いていないのが現状。今年は知人から教えてもらったブランド鰻を中心に、何軒か行ってみるつもりです。 ![]() さて、おそらくはどこもお休みしている正月休みですが、営業している極上のお店がありました。なんと、小田原にある「うなぎ亭 友栄」です。全国的にも有名な鰻店ですが、何ヶ月先まで予約で埋まっているような「近くても、限りなく遠いお店」ではありません。数日〜数週間前に、事前に電話で鰻を予約するだけで食べることが出来ます。先に注文をしておくという感じでしょうか。席の予約ではないので、ご注意を。 私はいつも開店と同時にお店に入れるような時間帯に行っています。その時間帯は、ナイショです。開店時間が近づくと、店内からは鰻の焼くいい匂いが漂ってきて、テンションも上がります。事前注文してあるので、席に案内されると程なくして料理が運ばれてくるので、とてもスマート。 ![]() 白焼き ♡ やはり、まずはコレ。自分ですりおろす山葵と醤油、または山椒ペーストでいただきます。どんなに山葵を多く乗せても跳ね返すような脂は、やはり冬の鰻だからでしょうか。素晴らしい! ![]() 割きたてのきも ♡ 肝は山葵醤油かタレを選ぶことが出来ます。私はいつもタレ。甘辛いタレに染められた肝を濃厚な卵黄に絡ませて。肝の部位はプルプル、管の部位はサクサクとした食感で、実に美味しい! ![]() ![]() 上うな重 ♡♡ そして、コレでしょう。いつも思いますが、『うな重』には待つ・開ける・食べるの3つの喜びがあると思っています。朱色の蓋を開けると、ご飯など見えないくらいのボリュームある鰻の姿と素晴らしい香りが食欲を掻き立てます。鰻は関東焼きなので、フワフワのトロトロ。口に入れると、肉厚な身でありながらも舌に纏わりつくような柔らかさがあり、濃厚な脂にノックアウトさせられます。実に素晴らしい味わい。県外や遠方からわざわざ来る理由は、食べればすぐに分かります。 今回もフルコースの鰻尽くし、素晴らしい味わいの数々でした。冬の鰻だからでしょうか、最後の方は多少重く感じてしまいましたが、実に美味しかったです。食べたくなった時に食べることが出来るというのは、本来ならば当たり前の事なのかもしれませんが、なかなか思い通りにならないのが近年の多くの有名店の状況。その中でとても貴重なお店であり、都内ではあり得ない価格帯も含めて、これからも通いたい私的ナンバーワン鰻店です。
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nao.のたまに行くならこんな店「茶禅華」
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- 2019/01/23(Wed) -
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![]() 肌を刺すような冷たい空気を受けて、広尾駅から坂を登る。大使館や豪邸を抜けて見える細い路地に光る3つの文字。 「茶禅華」 ![]() 2017年2月にオープンしたミシュラン**に輝く東京を代表するヌーベルシノワ。シェフは「麻布長江」「日本料理 龍吟」を経て、「和魂漢才」をモットーに掲げる川田 智也さん。食材の持ち味を活かす繊細な和の技法を取り入れた中華料理は、本場の味を凌駕するかは別にして、日本人にしか出来ない料理だと思います。兼ねてより色々な方から勧められており、どうせ行くならば『上海蟹』のシーズンにと思って、今回やってきました。 ![]() 元大使館員の住まいを改装したという店内はシックなグレーで統一されて、中華料理店というよりは中国茶店のような感じ。料理も話題を呼んでいますが、ティーペアリングも実に素晴らしいとのことで、今夜は『上海蟹コース』に『ティーペアリング』をお願いしました。 ![]() 今夜の献立 「今夜のメニューです」と、まずは封筒が目の前に置かれます。素材を漢字4文字で表したというそのメニューは、何となくわかるものの想像するのが楽しい。 ![]() 東方美人のスパークリングティー まず供されたのは、台湾茶の『東方美人』を使った「茶禅華」オリジナルのスパークリングティー。弾ける炭酸の中で、上品な香りが映えます。 ![]() 青山緑水 奈良県産の極細の三輪素麺が泳ぐのは、清湯スープ。中国の苦丁茶『青山緑水』の爽やかな香りをつけた脂が表面に浮かぶ非常に見た目も味も繊細な料理で、素麺を啜るとふわりと緑茶の香りがします。ひとひらの茶葉と緑茶脂の雫も綺麗。 ![]() ![]() 黄金皮蛋 ♡ 金色に輝く宝石のような皮蛋は鶏の卵で作ったものだそうで、作り方はこのお店も知らない企業秘密らしい。この皮蛋を使った前菜は、下から黄身・豆乳ソース・白身の部分・宮廷金毫普熟茶のゼリー。舌に絡まるようなねっとり感の中、濃厚な黄身と鼻から抜ける宮廷金毫普熟茶の香りが印象的。 ![]() ![]() ![]() 酔大閘蟹 / 宮廷金毫普洱茶 2013年 ♡ 紹興酒に漬け込んだ雌の上海蟹、つまりは『酔っ払い蟹』。この上海蟹の蟹爪だけを集めた贅沢なワンスプーンが別皿で供されましたが、やはり蟹爪の方が身が甘くてより美味。 ペアリングする『宮廷金毫普洱茶 2013年』はかなり濃い色合いですが、渋味や苦味などはなくて、身体に染み込むような濃い味わい。 ![]() ![]() 酢橘海蜇 / 京都甘露 それぞれ切り方も変えたクラゲの胴体と足を酢橘の中に入れて、葱油で仕上げた冷菜。蓋となっている部分には酢橘の果肉を残していて、途中で絞って味の変化を楽しめます。 ペアリングする『京都甘露』が、この料理にはない甘みを与えて、より完璧な味わいになっています。 ![]() 雉雲呑湯 ♡ 「茶禅華」の定番料理らしい雉を使った雲呑スープ。これは実に美味しい。一口飲めば、全身に染み渡るような味わいです。優しくもあり、鶏とは違う力強い風味があります。 ![]() ![]() ![]() 四川排骨 / 薫香正山小種 ♡ スタッフが持って来られた大きな壺の中には、頂天唐辛子・鷹の爪・赤山椒・青山椒に埋もれたやまと豚の排骨。麻と辣の爽やかな刺激の中、表面をカリッと揚げたトロトロの排骨がとても美味しい。 ペアリングするのは、世界初の紅茶と言われる『薫香正山小種』(ラプサンスーチョン)。松を燻したスモーキーさが、豚の脂や唐辛子にも負けない味わいです。 ![]() 口直し 苺・話梅。 「ああ、ここのシェフも変態なんだな」と思った一品。勿論、変態は誉め言葉です。苺をくり抜いて、酸味の少ない中心部のみだけにして、酢橘を絞って酸味を与えています。 ![]() ![]() 鴛鴦蒸蟹 / 翠峰 ♡♡ 上海蟹の雄の身と白子、雌の内子と外子、両方の味噌を詰めた2杯分の蒸し上海蟹。別に供される生姜醤油で味を変化させれば、無限に食べれます。 ペアリングする台湾烏龍茶の『翠峰』がとても美味しい。濃厚な上海蟹の味わいもスッと洗い流されます。 ![]() ![]() 蟹黄魚翅 / 高山金萱烏龍茶 ♡ 気仙沼の青鮫のバリバリと音がするような歯応えのフカヒレを上海蟹と毛蟹の餡で煮込んだ姿煮。餡で見えないですが、フカヒレはかなりのボリュームで確りとしています。 ペアリングする台湾烏龍茶の『高山金萱烏龍茶』は香りがココナッツ、味わいがミルクティーのようなお茶。このペアリングに凄いセンスを感じました。元々甘みのある料理ですが、このお茶を飲むことで更に一段上の甘みへと進化します。 ![]() ![]() おじや このフカヒレの餡で作ったおじや。一緒に供されるのは、凄い香りが身を包むアルバ産の白トリュフ。目の前で削って下さり、また香りが映えます。 ![]() ![]() 翠玉白菜 / 古樹銀針 中国野菜の『青梗菜』を腐乳とニンニクの香りを纏わせた瞬間炒め。シャキシャキとした白菜の歯ごたえを楽しんだら、甘みが広がります。 ペアリングする『古樹銀針』は、雲南省臨滄にある樹齢数百年のお茶の木から作られた白茶。非常に濃いコクで、少しの渋味がこの料理にない味わいをプラスします。 ![]() ![]() 茶禅羊肉 / 金芽紅茶 メインはクミン香るラム肉の炭火焼き。付け合わせには、香菜に青唐辛子の千切りを混ぜた冷菜の『老虎菜』。 ペアリングは目の前でサイフォン方式で淹れられるオリジナルのスパイスティー。中国紅茶の『金芽紅茶』をベースにして、シナモン・レモングラス・ローリエ・台湾スパイスの馬告(マーガオ)・バラの香りを付けられます。最後のペアリングは、ラム肉に付けたクミンに負けない香りの上書き。これまでのペアリングするお茶は料理にない甘味や苦味をプラスするもの、口直し的なものだったのに対して、これは香り。素晴らしいセンスです。 ![]() ![]() 清湯麺 ♡ 〆の麺類はシンプルな清湯麺に、上海蟹の自家製XO醬。プツプツとした歯切れの良い麺もいいですが、このスープはヤバい。ずっと飲んでいたくなる味わいです。 ![]() ![]() 桂花林檎 / 嶺頭単欉 甘酸っぱい紅玉が金木犀の香りを纏います。 ペアリングはマスカットの香りのする『嶺頭単欉』。 ![]() 温冷杏仁豆富 白磁の器には冷たい杏仁豆腐と温かい杏仁豆腐。温かい杏仁豆腐がトロトロとして、杏仁豆腐の未知なる世界。 ![]() 菊花茶 清らかな味わいで、まるで草原にいるかのような香りが広がります。最後のお茶も素晴らしいセレクト。 ![]() 栗湯圓 渋皮の餡、周りにはココナッツ、上から蒸した栗を削って。 約2時間弱、かなりのハイペースで提供していただきました。1つ1つの料理は研ぎ澄ませれていながらも、確りと中華料理と感じられるもので、和と中華のフュージョン的な料理では決してありません。ホールのスタッフの方々も提供時の説明だけでなく、料理について熟知していており、付かず離れずのサービスも素晴らしい。あえて言うならば、スペシャリテと謳っている『鳩の炭火焼き』を食べてみたかったです。何気に次回の予約も受けて下さったので、その時に出逢えればいいなと思っています。 さすがはミシュラン**、他の中華料理店とは一線を画す料理・雰囲気・サービスでした。次回もまた宜しくお願いします。46213
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nao.のたまに行くならこんな店「とんかつ 大宝」
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- 2019/01/12(Sat) -
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![]() 目黒駅から権之助坂を下る。比較的に短い坂なれど、飲食店がひしめき合い、お腹を空かせた私達を迷わせます。今回はその中の一軒、目黒のとんかつ御三家にも数えられる「とんかつ 大宝」で晩御飯です。 色々なメディアに紹介されており、多くの芸能人も密かに通っているというお店。レトロな外観の戸を開けると、目に入るのは珍しくも大理石のカウンター。その奥にはテーブル席もありますが、食べている方の後ろを通らなければならず、かなり狭い。「とんかつは男の食べ物」というイメージがあって、あまり女性1人客は見かけないのだけど、どうしたことだろう。この日は半数以上が、女性客という状況でした。地元に愛されている証拠かな。 女将さんに席へ案内されると、すぐに出されるのが生野菜とお新香。勿論、とんかつにはキャベツが付いている中で、生野菜というのは珍しい。さて、注文。メディアでは『串かつ』の画をよく見ますが、あまり好きではないので、やはりここは『特上ロースカツ定食』を。 実食 ![]() 揚げ場から遠かったので、あまりよくは見れなかったのですが、油切りはかなり入念にしていたのがとても印象的。暫く余熱で火を通してから包丁を入れると、心地よいザクっとした音を立てます。ご飯と味噌汁がよそられ、主役のとんかつを出迎える準備は万端です。 卓上にはソース・醤油・岩塩・辛子があり、ドレッシングも2種あります。これだけあれば、6つに切られたとんかつを違った味わいで楽しむことが出来るので、嬉しい。 脂身:肉=1:9くらいの割合のロース肉がザクザクとした衣に包まれ、厚さ1センチくらいはありながらもサクッとした歯切れの良さ。程よいジューシーさもあり、誰もが思い描くような王道のとんかつといった感じ。何も付けなくてもかなり味わいが濃いので、ビシッとした辛口ソースをかける際には注意が必要かも。 最近はとんかつもブランド豚を使うお店が多くなり、美味しさと共に価格帯も向上している中で、この価格設定は嬉しい限り。特にランチメニューは、1050円と頭の下がる価格です。御三家の中で、未訪問はあと1軒。ですが、この「とんかつ 大宝」の姉妹店として、ブランド豚の「林SPF豚」を使用している「とんかつ こがね」が反対側の東口に出来たそうなので、こちらを先に行くかも。
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nao.のたまに行くならこんな店「あべちゃん 麻布十番店」
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- 2018/12/29(Sat) -
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![]() 年末ということもあり、お世話になった方々への差し入れを買いに行くので、最近ちょくちょくやってきているのは、麻布十番。羨むような名店も多くてありますが、昼だし予約なしで入れるようなお店じゃないしで、サクッと食べられるとこを探しています。前回食べた「鶏そば十番 156 麻布十番本店」の斜めに結構盛り上がっているお店があって、気になったので入店。そのお店は「あべちゃん」といい、後から知ったことですが、麻布十番を代表するやきとん・焼鳥店の老舗だそう。仮店舗だそうですが、店頭ではテイクアウトもやっており、店内同様に大賑わい。たまたま一席空いていたので、入店です。 ![]() 14:45から飲めるということで、昼酒で盛り上がっていますが、ご飯ものの定食もあったので、まずは『牛もつにこみ定食』を注文。 昔の某牛丼チェーン店か?と思うほどに凄い早い提供。プルプルの大きな牛もつは、かなり甘めに煮込まれており、お酒よりもご飯とよく合います。ご飯メニューで、この『牛もつにこみ』をかけた『麻布ライス』という丼があって、次回は是非ともコレを食べてみたい。 折角なので、串も堪能です。串は2本からというのが1人だと厳しいですが、『盛り合わせ』もあります。 ![]() 鴨つくね 柚子が練りこまれている結構固めなつくね。勝手にふわりとした鴨団子的なものを想像していたので、ちょっと期待はずれ? ![]() 盛り合わせ 内容は焼き師によるお任せなので、フロアの店員さんも分からないらしい。出されたのは鳥もも・豚タン・カシラ・ナン骨・レバー。どの串も1つ1つが大きくてボリュームがあります。特にハズレというものもなくて、近くにあったならば、ちょい飲みやテイクアウトで利用すること間違いないです。 麻布という美味しいものが集まる街に根付いているお店というものは、やはり愛される理由がありますね。働いているスタッフも活気もあって、勢いを感じられます。次回は『麻布ライス』も捨てがたいですが、やきとり丼と牛もつにこみがセットになった『ジャンボセット』を食べてみたい。
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nao.のたまに行くならこんな店「福島屋」
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- 2018/12/28(Fri) -
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![]() 寝坊した冬がやっときて、恋しくなってきたのは「おでん」。最近ではコンビニでも気軽に美味しいおでんを買うことができ、私たちにとって1番身近な鍋料理と言えます。また各地域ごとに出汁のベースや具材なども違う為、何気なく食べている具材も実はご当地具材なのかもしれません。 ところで、皆さんはおでんをおかずにご飯が食べれるでしょうか?終わらない論争の1つだと思いますが、個人的には濃い目の味付けのものならば…と考えています。そんな中、『味噌おでん』を提供しているお店を発見っ。麻布十番にある「福島屋」です。 ここは静岡県のかまぼこ店で修業した福島県出身の方が大正10年に創業した老舗店で、1階では自家製薩摩揚げなどの練り物やおでんのテイクアウトを、2階にはイートンスペースを設けています。おでんは弱火で煮出した利尻昆布の出汁に鯖と鰹の削り節を加えた、いわゆる『関東炊き』と八丁味噌とザラメでコトコトと煮た『味噌おでん』があります。単品で好きな具材という楽しみ方も出来ますが、今回は『味噌おでん盛り合せ』でいただきます。 ![]() 定食の為に厳選された具材は5種。玉子・大根・こんにゃく・牛すじ・豆腐で、どれも元の色が分からないくらいにじっくりと煮込まれています。コクのある甘さの味噌の中で牛すじはトロトロ、なかなか味が染みにくいこんにゃくでさえも奥の奥まで味が染み込んでおり、特に素材の味も楽しめる大根が絶品。「おでんにご飯なんて…」とは言わせないような味わいで、自然とご飯に箸が進みます。『味噌おでん』はこの5種のみだけのようですが、俄然気になるのは自家製薩摩揚げなどの練り物が煮込まれた『関東炊き』。定番の具材から、ちょっと変わった具材もあるようなので色々と食べてみたい。
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