fc2ブログ
2023 10 ≪  11月 123456789101112131415161718192021222324252627282930  ≫ 2023 12
nao.の極上の鮨「佐野鮨」
- 2023/11/12(Sun) -
IMG_8976_20231112003839df7.jpg

浅らかに 相見し鮨に 恋ふる頃かも/佐野鮨

を通る日比谷通りから路地に入り、更にその路地裏に喧騒から逃れるようにひっそりとオープンしたのは「佐野鮨」。店主・佐野 正志さんは「築地青空三代目 丸の内店」の板長だった方。ここは言わばチェーン店の鮨店ですが、この丸の内店だけは老舗鮪卸問屋の一角を担う「フジタ水産」の鮪が食べられるという稀有なお店で有名。当時の佐野さんの尖った鮨が「フジタ水産」の社長・藤田 浩毅さんの目に留まったようで、佐野親方は言わば「フジタに愛された男」のおひとりです。

IMG_8980_2023111200384286f.jpg

胡蝶蘭が舞う引き戸を開けると、細いアプローチがあり、それを抜けると輝く白木のカウンターが現れます。席数は7席とこじんまりとしていますが、壁には種が書かれた木札がレトロっぽく、傾斜がつけられたカウンターの鮨が置かれるであろう位置にはスポットライトがあり、映える要素満点。
昼は握りのみのおまかせコース、夜は昼コースに肴がプラスされたおまかせコースで構成されており、今回は昼の握りのみを楽しませていただきます。


IMG_8982_20231112003842225.jpg
小鯛
身はねっとりとシャリは酸が立ち、後から身の甘味が追いかけてきます。


IMG_8984.jpg
墨烏賊
身は厚くサクサクと小気味良い食感。その中で大きい粒の固めなシャリの存在感を感じます。


IMG_8989_20231112003847602.jpg
平貝
平貝はガスで炙って、海苔を間に入れる仕立て。シャリの酸で輪郭を成す平貝の旨味と海苔の香りが映えます。平貝に海苔を合わせるのは好きな仕立てですが、平貝に対して海苔が大きいので、平貝と海苔の食感がお互いに打ち消しあっており、個人的にはマイナス。


IMG_8991_20231112003850d1f.jpg

珍しく酢〆の仕事を施した鯵。皮目の旨味がとても美味しく、キリッとした味わいで美味しい。


IMG_8993_20231112003850b0b.jpg
赤身
舌触りはビロードのようで、舌に吸い付くような口溶け。食べ終えても尚、口の中に存在感を示すような圧倒的な香りが素晴らしい。


IMG_8995_202311120038535e9.jpg
小鰭
丸々一枚付け。とても柔らかくジューシーで、とろけるような小鰭。


IMG_8997_202311120038539de.jpg
あま鯛
鮨店では珍しい種。肉厚くで、舌に絡みつくような身は甘味を出しながら酸が立つシャリと混ざり合い、その甘味が際立ちます。鱗はどうしているのだろうか?ちょっと気になります。


IMG_8999_20231112005303d3f.jpg
煮ほたて
煮上げた丸々一個の帆立を潰してからほぐして握られたものに煮つめをかけて。帆立の旨味が映え、シャリの酸味がよりそれを引き立てています。煮つめは辛く、キリッとしていて美味しい。


IMG_9002_20231112005305fd1.jpg
車海老
口に入れると喉に当たるくらいの大きさで、確りと火を入れてから人肌まで落ち着かせたもの。車海老の甘味を確りと感じられ、海老味噌のコクがより旨味を引きあげています。


IMG_9004_20231112005305391.jpg
いくら
珍しい西京味噌漬けのいくらは、口の中に入れるとねっとりと舌に絡みつくよう。チーズのようなコクがあり、シャリの酸で甘味が映えます。


IMG_9006_20231112005308598.jpg
穴子
炭で炙って温めており、腹と尾の部位を半分ずつ合わせて握っています。口の中で炭の香りと穴子の香りが一体となり、辛めの煮つめと


IMG_9008_20231112005308e18.jpg
干瓢巻き
山葵が鮮烈で、甘辛い干瓢が酸立つシャリとよく合います。クラシックな巻物が〆だと、コースがビシッと絞まります。


IMG_9010_20231112005311b30.jpg
たこ
高級店だと珍しいたこの握り。たこ自体にかなり塩を強くしているので、確りとした旨味を感じられます。


IMG_9012_20231112005311e87.jpg
牡蠣*♡
炭で炙った牡蠣に海苔エシレバター乗せて。隣の方に肴で出していたので、握っていただきました。海苔の風味とバターのコクが牡蠣の旨味と合わさり、それがシャリの酸で際立って美味しい。肴よりも握りがお勧め。


IMG_9014_20231112005314074.jpg

ガッツリと昆布で締めており、口に入れると昆布の香りが華やぎます。身は程よく脱水されて、とろりととろけて美味しい。


IMG_9015_20231112005314956.jpg
中トロ*♡
口溶けは香りを出しながらゆっくりととろけ、シャリの酸でより旨味が際立ちます。


IMG_9016_20231112005317393.jpg
大トロ*♡
シャリの温度を上げているので、より口溶けを楽しめます。香りよりも甘味をより感じられます。


IMG_9018_2023111200531864f.jpg
小柱*♡
大粒の小柱はサクサクとした食感と香りが映え、海苔の香りも華やか。


IMG_9019_20231112005321aed.jpg
海胆
口の中で海苔の香りと海胆の香りが一体化し、最後に海胆の甘味が広がります。

IMG_8987_20231112003844bf4.jpg

昼コースに加えて、握れる食材は全て握っていただきました。白眉だったのは、丸の内時代からの名物という『いくら』でしょうか。いくらを握るという見た目のインパクトがあり、ねっとりとしつつ弾ける食感も面白いし、ほんのりとした味噌の優しい味も美味しい。シャリは口の中で粒を感じれるほどに固めに炊いて、酸はやや強めなので、全体的にスッキリとしていて食べ疲れません。
丸の内と同様に種を毎日変えていかれるそうで、金額以上の満足感は高いと思います。問題点を挙げるならば、カウンターから見える位置に(剥き終えた車海老の殻など)色々と置かれているのがとても気になったことでしょうか。佐野親方の握りは形も所作もとても美しいので、握りだけでなく「魅せる」鮨を見せていただきたいです。

佐野鮨
東京都港区芝2-18-9 1F
03-6453-9666
寿司 / 芝公園駅三田駅大門駅

昼総合点★★★★ 4.5


.
食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
スポンサーサイト



この記事のURL | 極上の鮨 | CM(1) | TB(0) | ▲ top
nao.の極上の鮨「鮨がみ #2」
- 2023/10/24(Tue) -
IMG_8397_20231002225308dba.jpg

君に恋ひ甚も術なみ/鮨 がみ

IMG_8410_2023100222532143d.jpg

ご縁をいただき、水天宮にある会員制鮨店「鮨 がみ」に再訪。店主・坂上 剛さんはコンラッド東京やグランドハイヤット東京の鮨料理長を歴任し、2021年に独立されたベテランの鮨職人です。ほぼ毎日、インスタで「海のジビエ」と称して投稿される食材は艶めき、何よりも美味しそう。私が行く時にはどの食材をいただけるのか楽しみにやってきました。


IMG_8400.jpg
岩もずく
石川県産。バリバリとした食感があり、喉越しも良い。


IMG_8401.jpg
箸休め
小メロン・蛍茄子・らっきょう。


IMG_8402.jpg
鰹のぶつ
長崎県産。モチモチとして、舌に吸い付くような食感があり、薬味に頼らなくともクセなどは微塵もなくて美味しい。


IMG_8404.jpg
毛蟹のミルフィーユ
毛蟹のほぐした身を甲羅にパンパンに詰めたもの。味付けは塩のみという味わいは、毛蟹本来の旨味と甘味があり、口の中でふわりとする香りがいい。


IMG_8407_202310022253150a5.jpg
梭子魚♡♡
千葉県富津産の江戸前のものを軽く炙ってから供されます。包丁を入れた皮目から既に旨味が溢れ出しており、見るから美味しそう。口に入れると身は厚く、ねっとりとしており、皮目は香ばしくて美味しい。


IMG_8408.jpg
鮭の焼き白子
珍しい鮭の白子をじっくりとサラマンダーで焼き上げます。口の中でとろけるような感じではなく、確りと噛むことで旨味が溢れます。


IMG_8409_2023100222531871b.jpg
メヒカリ♡♡
かなり大きいと思いますが、「鮨 がみ」ではスモールサイズらしい。頭からガブリと噛み付くと、軽い食感の身の旨味にワタの旨味が一気に爆ぜます。そして何よりも香りがいい。


IMG_8412_20231002225321c51.jpg
墨烏賊
鹿児島県産。塩の味が多い中で、醤油という仕立て。身が厚く、サクサク食感なのにネットリ感も感じられて美味しく、醤油の香りもいい。


IMG_8413_202310022253239a5.jpg
白甘鯛
徳島県産の2.25キロものを2週間熟成させたもの。熟成はまだまだと仰ってますが、爆ぜるような香りと咀嚼の度に溢れる旨味が尋常じゃない。


IMG_8415_202310022258205cc.jpg
真鯖
兵庫県淡路産。本日の豊洲市場で1函しかなかったという中から選りすぐった1キロオーバーもの。脂で食べさせるのではなく、赤身の旨味が濃くて上品で綺麗な味わい。がみさん、ありがとうございました!


IMG_8416_202310022258232d1.jpg
シロシブダイ♡♡
「神の魚」降臨!今回は漬けの仕立てで、1ヶ月と2週間熟成させているそう。旨味と甘味と香りが段違いに華やぎ、余韻も長くて実に美味しい。


IMG_8417_20231002225823da6.jpg
縞鯵
高知県宿毛産の3週間熟成。香りと甘味が口の中で一気に立ち込め、旨味の爆流が口の中を暴れ回ります。


IMG_8418_20231002225826797.jpg
秋刀魚♡♡
今季初。口の中でとろける様が素晴らしく、香りが素晴らしい。


IMG_8419.jpg
皮剥
ガラスのような美しい身にとんでもない大きさの肝が乗せられており、その肝が絶妙な濃さと味わいで美味しい。


IMG_8420_202310022258295c8.jpg
真鯵
身がピンと張っているような食感があり、薬味の爽やかさと身の脂の爽やかが一気に駆け抜けていきます。


IMG_8421_20231002225829136.jpg
喉黒
山形県産の1.7キロ。皮目は炙ってから握られます。皮目の脂は甘く、身はムチムチとして旨味が強烈。ただ脂っこい喉黒とは一線を画す味わい。


IMG_8422_20231002225832686.jpg
小鰭
まずは小鰭の甘味を感じ、ゆっくりと酸を感じ、後味に旨味が口の中に残ります。さすが〆物も美味しい。


IMG_8424_20231002225834359.jpg
九絵のモツ煮
九絵の胃袋とレバーを一緒に炊いたもの。シコシコとした食感だったので、私は胃袋を食べたみたい。コレも美味しいなあ。


IMG_8423.jpg

IMG_8425.jpg
赤貝♡♡
宮城県渡波産。前回の鳥貝同様にがみさんが目の前で剥いてくれるのをいただきます。口の中でまさしく爆ぜる香り。ザクザクと咀嚼していると、甘味も感じられて最高の一貫。


IMG_8428_20231002230318fa5.jpg

IMG_8430_20231002230320c59.jpg
牡丹海老♡♡
「鮨 がみ」のシグネチャー種の1つである特大牡丹海老。持つと分かるズシリとくるこの重量感。口の中で跳ねるような食感と卵が持つ旨味、そして身のねっとりとした甘味が同時に楽しめるのは至福。


IMG_8431_2023100223032303e.jpg
赤身
宮城県塩竈産155キロのカマの部位の赤身。ガツンとくる旨味の後に華やぐ酸が心地よい。


IMG_8432_20231002230323bdb.jpg
トロ
同じ魚体の同じ部位のトロ。あえて筋は外さずに握られます。味わいが激濃厚で、筋はありつつも柔らかくて旨味を感じられます。


IMG_8433_20231002230325e08.jpg
北紫海胆
北海道焼尻産。余分な水分が一滴もないような濃厚さで、口の中で海胆と海苔の香りが合わさり、至福の味わい。


IMG_8434_202310022303255e0.jpg
穴子♡♡
長崎県対馬産の正真正銘の煮上がり。身は超絶にトロトロ、そして香りも強い。


IMG_8435_20231002230326998.jpg
いくら小丼
生の筋子から作る薄塩味仕立て。口の中でプチっと弾ける味わいは塩味で、いくらの甘味と旨味を引き出しているかのよう。


IMG_8436_20231002230328866.jpg
牡丹海老のポタージュ♡♡
開店からずっと継ぎ足しているという海老の味噌汁。濃縮された海老の旨味や香りが爆ぜる美味しさ。

IMG_8414_20231002225326e84.jpg

食べさせていただいた食材から感じるのは、これは信頼の力が成す美味しさということ。仲買人と職人の関係は決して金銭だけでは築けない絆があり、供される食材からその絆の強さをひしひしと感じられ、何よりも実に美味しかったです。そして、前回から薄々感じていましたが…調理する坂上さん(がみさん)のなかなかのヘンタイぶりが素晴らしい。じっくりと熟成した食材は旨味だけがガツンとくるのではなく、旨味の延長線上に香りもあり、その香りが実に華やかで心地よい。がみさんとは出逢ったばかりなので、まだまだ「鮨 がみ」の深淵は見えず。また食べさせていただき、「鮨 がみ」で感じる日本の四季を堪能したいです。

鮨がみ
東京都中央区日本橋蛎殻町2-10-11 ラ・パレス 1F
寿司 / 水天宮前駅人形町駅浜町駅

夜総合点★★★★ 4.9



食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
この記事のURL | 極上の鮨 | CM(1) | TB(0) | ▲ top
nao.の極上の鮨「鮨 はしもと #28」
- 2023/10/08(Sun) -
IMG_7944_20230910195318117.jpg

しのぶれど 色に出にけり わが恋は/鮨 はしもと


IMG_7947_202309101953201be.jpg
枝豆


IMG_7948_20230910195323c8d.jpg

IMG_7949_20230910195323dc3.jpg
本アラ & 海松貝
新潟県佐渡島産の本アラはとろける舌触りと芯のあるような食感があり、その食感を楽しんでいると甘味が溢れてきます。そして、海松貝はザクザクとした食感の中に強烈な少しクセのある甘味を感じます。


IMG_7951_2023091019532648d.jpg
いくらと湯葉の茶碗蒸し
王道な橋本さんの料理の中で、意外と攻めているのが茶碗蒸し。今回はいくらと湯葉。茶碗蒸しの熱でいくらの皮が固くなり、よりプチプチ感が増して食感が楽しめ、湯葉がより旨味を底上げしているかのよう。


IMG_7955_20230910195325d68.jpg
蒸し鮑
出汁と肝ソースをかけて。目の前で切りつけられている時から香る鮑が凄い。口に入れると、その香りがぶわっと華やぎます。


IMG_7956_20230910195329c58.jpg
鮑肝ご飯
鮑の肝ソースでシャリを和えて、白烏賊を乗せたもの。
肝ソースの味わいを全面に出したのではなく、切り立てのシャリの酸がビシッと効いており、シコシコとした白烏賊の食感も楽しい。


IMG_7957_20230910195329f04.jpg
鰯巻き
赤酢で〆た鰯を浅葱・大葉・沢庵・胡麻と共に海苔で巻いた肴。
赤酢の旨味ある酸と沢庵の甘味、そして鰯の旨味が実に素晴らしい。


IMG_7959_20230910195330372.jpg
肴3種
鮎のペースト・鮟肝・新烏賊の下足。お酒が進みすぎて困る肴の盛り合わせ。中でもこの時期ならではの新烏賊の下足は、儚いながらもコリコリとした下足らしい食感があり、美味しい。


IMG_7961_20230910195333938.jpg
海鰻
塩揉みした酢橘と共にいただけば、鰻の濃厚な旨味に酢橘の仄かな苦味が映えます。パリパリとした皮と肉厚な身が素晴らしく美味しい。


IMG_7963_20230910195918828.jpg
新子♡♡
初手は小鰭っぽい新子を1枚付けで、間に芝海老のおぼろを入れる仕立て。皮目は柔らかく、仄かに酸が立ち、追いかけるようにおぼろの甘味と小鰭の旨味が際立ちます。素晴らしい美味しさ。


IMG_7965_20230910195933bae.jpg
真鯛
兵庫県明石産。橋本さんの真鯛はいつもヤバい。魚の王様と称されるのも頷ける美味しさがあり、旨味の凝縮が実感できます。


IMG_7966_202309101959219cb.jpg
背トロ♡♡
宮城県塩竈産。シャリの酸で輪郭をハッキリとさせる鮪の旨味が秀逸で、食べ終えて鼻から抜ける香りまで素晴らしい。


IMG_7967_20230910195933bb5.jpg
はがし*♡♡
中トロの部位だそうで、筋を剥がしたもの。香りは秀逸、そして舌触りはシルキーの極み。思い出しただけでも余韻に浸れる味わい。


IMG_7968_20230910195924f64.jpg
中トロ
同じ産地ですが。魚体を変えたもの。部位は腹の辺りだそう。口の中に広がるコッテリ感があり、なくなると同時に旨味が広がります。


IMG_7969_20230910195924d20.jpg
北寄貝
ビッシリとついたワタの部位がトロトロで、実に甘い。それがダイレクトに舌に当たるので、素晴らしい。


IMG_7970_20230910195925c90.jpg
ニタリクジラ
「鮨 はしもと」で初となる種。9月はクジラの月だそうで、橋本さんも今年から使い出したという。部位は尾の身で、まだ確りとしている身を口の熱でゆっくりととかしていくと溢れ出る旨味が、魚のそれとは明らかに違って美味しい。


IMG_7971_202309101959273fe.jpg
新烏賊
やや大きめな新烏賊。小気味良いサクサクとした食感の中、烏賊の甘味が駆け抜けていきます。


IMG_7972_20230910195930468.jpg
縞鯵*♡
とろけるような身にねっとりと舌に絡むような旨味。縞鯵の概念が変わりそうな美味しさ。


IMG_7973_202309101959308a6.jpg
大トロ♡♡
カマトロの横の部位。シャリの温度を上げているので、身の口溶けや香りがより華やぎ、余韻長く楽しめます。


IMG_7974_20230910200451684.jpg
小鰭*♡♡
先程の新子に近い小鰭とは違い、旨味が段違い。酸味の後に広がる甘味が素晴らしい。


IMG_7975_2023091020050329b.jpg
金目鯛*♡
皮目を軽く炙って、皮と身の間の脂を溶かして旨味にしており、山葵と辛子の辛味と香りがより金目鯛の旨味を引き出しています。


IMG_7976_20230910200454596.jpg

京都府舞鶴産。肉厚な身は余分な水分がないほどに旨味が凝縮しており、シャリの酸でよりハッキリとします。


IMG_7977_2023091020050576a.jpg

三重県産。皮目をスモークしており、口の中で映える薫香が心地よい。脂よりも旨味が強い感じ。


IMG_7978_20230910200454102.jpg
車海老
大きな海老は頬張ると喉に海老味噌が当たるような感じで、そこから感じる温度・香り・甘味がいつもながらに完璧な一貫。


IMG_7979_202309102004574ed.jpg
馬糞海胆
濃密な海胆の甘味と旨味、そして海苔の香りが口いっぱいに広がります。


IMG_7980.jpg
穴子♡♡
素晴らしい美味しさ。炙ることで香ばしさが生まれ、穴子本来の旨味と濃厚な煮つめの旨味が合わさり、美味しい以外の言葉が見つからない。


IMG_7982_20230910200506cd8.jpg

IMG_7983.jpg

デフォルトと握りで。玉はジュワッとした旨味があり、握りには芝海老のおぼろをたっぷりと入れており、旨味と甘味の濃さが素晴らしい。


IMG_7984_202309102005005c8.jpg
赤海胆*♡♡
山口県安岡産どこかクリーミーで、仄かに苦味もある複雑な味わいこそ赤海胆の美味しさ。


IMG_7985_2023091020050254f.jpg
煮蛤*♡
色合いはライトながらも、噛み締めるとジュワッと溢れる旨味が素晴らしい。ずっと噛んでいたくなるほどの美味しさ。

東京・福富町にある「鮨 はしもと」に再訪。物腰柔らかな店主・橋本 裕幸さんが作り出す料理は、確りとお酒を飲ませるような肴と口の中で魚の存在感を感じられる質実剛健な鮨。今回は鮨の種を多めに用意していただいたので、たっぷりと堪能できて口福のかぎり。残念なことは、全て(他に6貫くらいありました)を食べることができなかった私の胃袋の大きさでしょうか…。橋本親方、いつもありがとうございます!また是非食べさせてください。

IMG_7964_2023091019592126d.jpg

鮨 はしもと
東京都中央区新富1-8-2 grandir ginza east 1F
03-5541-5578
寿司 / 新富町駅八丁堀駅宝町駅

夜総合点★★★★★ 5.0



ブログランキング参加中です愛のクリック、お願いしまーす

食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
この記事のURL | 極上の鮨 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
nao.の極上の鮨「鮨 つぐ #3」
- 2023/10/05(Thu) -
IMG_7815.jpg

みをつくしてや 恋ひわたるべき/鮨 つぐ

関内にある予約困難店「鮨 つぐ」に再訪。10000円コースのみという圧倒的なリーズナブルさとそれに見合わないクオリティで、半年待ちという繁盛ぶり。店主は脱サラ後に西麻布の鮨店で8年修業されたという髙田 直嗣さん。ジャスが流れる10席あるカウンターと別にある個室を全て1人で握っていながらもテンポ良く供されるので、とても小気味良くストレスなく楽しめます。


IMG_7818.jpg
中トロ
アメリカ・ボストン産。脂の融点は高いようで、口の中でじっと留まってから旨味が溢れてきます。


IMG_7819.jpg
茶豆


IMG_7820.jpg

宮城県産。モチモチとした舌触りの中、あたり葱の風味が走り、鰹の旨味が追いかけてきます。


IMG_7824.jpg
真鯛
大分県産。程よい脱水感を感じ、酢橘の酸味で輪郭を成す溢れる甘味が美味しい。


IMG_7825.jpg
磯つぶ貝
出汁で煮ており、磯の香りがありつつも咀嚼すると出汁と貝の旨味が広がります。


IMG_7827.jpg
石垣貝
岩手県産。多少のクセはありつつも、食感はザクザクとして極上。


IMG_7828.jpg
はりはり漬け & ゴーヤの浅漬け


IMG_7829.jpg
新いくら
北海道産の初物。口を近づけると、柚子の香りが華やぎ、出汁醤油の旨味の後に薄皮の儚い食感を感じて、いくらの甘味がジュワッと広がります。


IMG_7831.jpg
帆立の磯部焼き
岩手県産。ザクッとした食感があり、ジューシーな帆立の旨味が広がり、海苔の香りも華やぎます。


IMG_7832_20230830223656450.jpg
茶碗蒸し
トウモロコシの擦り流しをかけて。
激甘なトウモロコシの擦り流しを茶碗蒸しと一緒にいただくことで、絶妙な甘味とコクを楽しめます。


IMG_7834.jpg
太刀魚
神奈川県産の一本釣りのものを炭火焼きで。焼物の定番の太刀魚は、目の前にある炭場で焼かれることで、店内に良い香りが広がります。酢橘の爽やかさの中で、甘味のあるフワフワとした身の旨味が素晴らしい。


IMG_7835_2023083022414202e.jpg

千葉県産。シャリの温度を高くしているので、より鰯の脂が溶けるのが感じられます。酸が立つシャリと後味に残る鰯の脂の旨味さえも美味しい。


IMG_7836_202308302241260e4.jpg

IMG_7840_20230830224126f1a.jpg

宮城県産のものを肝ソースで。ザクッと切りつけられた鮑は食感もありつつも、香りが心地よい。食べ終わると、シャリを入れてくれるので、肝ソースを余すとこなく楽しめます。


IMG_7841_20230830224129dc4.jpg
おはぎ
トロたくを握りの仕立てで。鮪の旨味と沢庵の甘味が織りなす絶妙なハーモニー。


IMG_7842_202308302241291b7.jpg
赤身漬け
アメリカ・ボストン産。刷毛で出汁醤油を塗って、温度を上げておいたもの。夏の鮪らしく、食べ終えても続く酸味があり、美味しい。


IMG_7843_20230830224130ea7.jpg
北紫海胆
北海道産。海苔の端を余らせる粋な軍艦仕立て。口の中がいっぱいになるほどの海胆の量で、海胆の香りが広がった後に甘味が広がります。


IMG_7844_2023083022413380e.jpg
穴子
穴子自体にも味がついており、そこに煮つめをかけるので、全体的に少し味わいは濃い目。


IMG_7845_20230830224133e8a.jpg
蜆の潮汁
個人的にはもう少し薄めの味わいが好き。


IMG_7846_202308302241362c4.jpg
ネギトロ巻き
まるで花束のように手渡しされるのが、ネギトロ巻き。葱は葱でも玉葱を使うのが「鮨 つぐ」流で、玉葱の辛味の中に甘味も感じられ、実に鮪によく合います。


IMG_7847.jpg

ふわっとした食感に貝の旨味が映えます。


IMG_7848_202308302241399c9.jpg
北寄貝
ワタの部分が当たるように握られており、ダイレクトに感じるワタの甘味が美味しい。


IMG_7849.jpg
小鰭
程よい酸味があり、シャリの酸味と口の中で合わさることでよりスッキリと感じられます。


IMG_7850_20230830224142e06.jpg
甘味
今回は、和梨。

今回のイチバンは、初手の中トロでしょうか。久しぶりにアメリカ・ボストン産のものをいただきましたが、口の中でゆっくりと溶けて旨味を出していくのは、実に身体に染みるようでした。強いて言うならば、合間に供される漬物やクリームチーズの味噌漬けなどの肴が少なかったので、もう少し食べたかったところ。まだ来年の予約を取っていないらしく、確約されていない状況なのでもどかしいですが、また楽しみたいです。

IMG_7816.jpg

鮨 つぐ
横浜市中区住吉町5-57-2 TYビル 2F
045-225-9117
寿司 / 馬車道駅関内駅桜木町駅

夜総合点★★★★ 4.4



食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
この記事のURL | 極上の鮨 | CM(1) | TB(0) | ▲ top
nao.の極上の鮨「鮨 竜介 #30」
- 2023/09/30(Sat) -
IMG_7867_20230902232407949.jpg

逢はねども さね忘らえず面影にして/鮨 竜介


IMG_7868_202309022324119fe.jpg
岩もずく
岩手県産。小気味良いザクッとした食感があり、酢の酸味と生姜の爽やかさが駆け抜けます。


IMG_7869_20230902232411ff6.jpg
鮃 トリュフ
モチモチとした鮃をトリュフ塩と目の前で削られるトリュフと共にいただきます。ぶわっとするトリュフの蠱惑的な香りに鮃の旨味と甘味が合わさる、オープンから続く「鮨 竜介」の遊び心ある肴のスペシャリテ。


IMG_7870_2023090223241468b.jpg
たかべの焼物
身も厚く、ややレア気味に仕上げられており、ジューシーな旨味が美味しい。


IMG_7872_202309022324148e0.jpg
牡丹海老♡♡
大人の男性の指2本分はあろうかという極太の牡丹海老。ねっとりととろけるその味わいは甘美のひと言。


IMG_7873.jpg
松茸の茶碗蒸し
小さな茶碗蒸しながらもたっぷりと松茸が入れられており、蓋を開けると秋の訪れを感じられます。


IMG_7874_20230902232415122.jpg
松茸のフライ & 蟹クリームコロッケ♡♡
定番の蟹クリームコロッケの他に松茸も揚げていただきました。ウスターソースをつけていただく松茸フライはカリッとした衣にモキュッとした松茸の食感が小気味良い。


IMG_7876_20230902232418051.jpg
真鯛
モチっとした食感の真鯛は、シャリの酸でより甘味を感じられます。


IMG_7877.jpg
泥障烏賊
身は厚いながらも、細かく包丁をいれているので、口の中で瞬時に解けます。そして、絶妙な甘味が素晴らしい。


IMG_7878_202309022324290f3.jpg
赤身
青森県大間産。ビロードのような舌触りで、分厚いので、口の中での存在感で凄い。


IMG_7882_20230902232424534.jpg
分かれ身♡♡
香りはありつつも、口溶けは一瞬。鮪がなくなった後に残るのは、極上の旨味。


IMG_7883_2023090223242642e.jpg
大トロ♡♡
コッテリとしていながらも、後味はさらりとしており、実に甘い。


IMG_7884_20230902232426de6.jpg
小鰭
今回はおぼろを入れない仕立て。心地よい酸味は実に爽やか。


IMG_7886_20230902233010a61.jpg
北紫海胆♡♡
今回はまるひろ橘水産のもの。口に入れると、ふわっと香りが華やぎ、一気に液体に変わった海胆の旨味が口いっぱいに広がります。


IMG_7885_2023090223242993b.jpg
赤海胆♡♡
愛媛県産。どこか柑橘系のような香りを感じ、甘味よりも爽やかな旨味が印象的。


IMG_7887_20230902233013a5b.jpg
鮎の姿鮨♡♡
春に約束した鮎を覚えていて下さり、作っていただきました。そろそろ鮎も終わりですが、夏の名物となりそうな味わい。ガツンとくる酢の酸を追いかけるように、間に入れたうるかでブーストした鮎の香りが映えます。


IMG_7888_20230902233013f96.jpg
新いくら
キラキラと輝くような新いくらは柚子の香りが華やぎ、口の中で瞬時にとけるいくらがシャリの酸でより甘く感じられます。


IMG_7889_202309022330153d5.jpg
車海老
半生に茹でたてる仕立てをやめて、茹で置きにした車海老。だんだら模様が美しく、柔らかくじんわりと甘味が広がり、個人的にこちらの方が好み。


IMG_7890_20230902233017f1d.jpg
穴子♡♡
デフォルトだと、親方の修業先である「久兵衛」を髣髴させる塩と煮つめのハーフ&ハーフですが、私は丸々煮つめで。舌にねっとりと絡むような穴子は口の中で香りが立ち、じっくりととけていきます。


IMG_7893_20230902233018c08.jpg
鉄火巻き♡♡
本日の鮪の部位(赤身・中トロ・大トロ)を全て巻いた鉄火巻き。コレがコースに組み込まれているのは、なかなか珍しいのではないでしょうか。「鮪を頬張る」という体感は素晴らしいの一言で、まさに至福。


IMG_7895_20230902233020007.jpg
ナガスクジラの尾の身♡♡
「他にあります?」と尋ねたら、出していただきました。滅多に入荷しないというナガスクジラはトロトロな食感ではないですが、魚のそれとは明らかに違う濃い旨味が凄い。


IMG_7894_20230902233020069.jpg

最後は鮨店らしいふんわりとしたカステラ風の玉。

銀座にありつつ敷居の高さも感じず、僅か7席の空間で感じる親方との距離が身も心も近い鮨店「鮨 竜介」に再訪。店主・山根 竜介さんが作り出す遊び心のある肴と種によってシャリを使い分ける王道の鮨が楽しめます。
「鮨 竜介」と言えば、海胆・穴子・鉄火巻きの美味しさは折り紙付きの中で、今回私の琴線に触れたのは何と言っても、鮎でしょう。鮮烈な爽やかさがあり、鮎の香りもある。夏が来る度に食べたい美味しさ。山根親方、約束を守って下さり、ありがとうございました!

IMG_7880_20230902232424e42.jpg

次回は昼鮨を予定。たっぷりと握っていただきたいです。


鮨 竜介
東京都中央区銀座7-3-13 銀座第四金井ビル B1
03-3572-1530
寿司 / 銀座駅内幸町駅日比谷駅

夜総合点★★★★★ 5.0



食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
この記事のURL | 極上の鮨 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
nao.の極上の鮨「日本橋蛎殻町すぎた #18」
- 2023/09/15(Fri) -
IMG_7571_20230820214919f5e.jpg

シン・すぎた/日本橋蛎殻町 すぎた


IMG_7575_202308202149228ff.jpg
枝豆
夏の風物詩の肴。あまり好きではないので、このくらいの量で満足。


IMG_7578_20230820220834b31.jpg

IMG_7577.jpg
鮃 & つぶ貝
青森県産の鮃と北海道厚岸産のつぶ貝を山葵と醤油で。
鮃は極上のモチモチ加減を楽しんでいると溢れる奥行きある甘味が凄い。つぶ貝はバリバリとした食感の中で、野生味ある甘味が映えます。いつもながら杉田親方の包丁捌きを堪能しつつ、食材の甘味と食感のコントラストが楽しめる仕立てで素晴らしい。


IMG_7579_20230820214924d20.jpg
穴子の白焼♡♡
表面は仄かにパリッとしており、咀嚼する歯を覆うようなゼラチン質がねっとりと絡み、旨味と甘味が広がります。そして、食べ終えて鼻から抜ける穴子の香りが凄い。


IMG_7580_20230820214926da9.jpg
岩牡蠣
三重県産。実はあまり得意ではないのですが、美味しそうだったので思わず。
プリッとした食感にミルクのようなクリーミーな味わいが口いっぱいに広がり、美味しい。


IMG_7582.jpg
鱒子の味噌漬け
いくらよりもひと回り小さい鱒子。口に入れると、味噌の甘味が広がり、プチッと弾けると鱒子の旨味が追いかけるように広がります。ご飯にも絶対に合う!


IMG_7584_202308202149290e3.jpg
鮟肝と胡瓜の奈良漬
定番となっている組み合わせですが、初めていただく肴。鮟肝と胡瓜の奈良漬の異なる2種の甘味が広がり、そして追いかけるように新政酒造「陽乃鳥」を合わせると、口の中で3種の甘味が混在するマリアージュが楽しめます。


IMG_7585_202308202149303ac.jpg
太刀魚の焼物
焼物では定番の太刀魚。フワフワとした食感の中、旨味がジュワッと溢れ、酢橘の爽やかさがはしります。


IMG_7587_20230820214932aef.jpg
蛸の柔らか煮*♡
『柔らか煮』といっても、蛸の食感は残っており、その身を咀嚼すると溢れる旨味が凄い。やはり鮨店の蛸は侮れない。


IMG_7589_20230820215426bc9.jpg
新子
久しぶりにいただく杉田親方の新子は、2枚付け。新子とはいえ、その小さな身にジューシーさがあって、ジュワッとした旨味があります。


IMG_7591_2023082021542956e.jpg
小鰭*♡♡
そして、小鰭というこの時期ならではの素晴らしい流れ。江戸前の粋な新子もいいですが、やはりジューシーさでは小鰭の方が群を抜いて美味しい。


IMG_7592_20230820220959454.jpg
新烏賊
墨烏賊の子供の新烏賊は1匹分。ツルッとした舌触りで、こんなに小さくてもサクサクとした食感があって美味しい。


IMG_7594_20230820215440bb7.jpg
鮃 昆布〆
飴色に輝くようなガッツリと昆布〆された鮃。ガツンとくる昆布の旨味の奥にある鮃の旨味が咀嚼の度に蘇ってきます。


IMG_7595_202308202154315e0.jpg

口に入れると、薫香がふわりとし、漬けにしているので程よく脱水された身は旨味が凝縮しており、実に美味しい。


IMG_7596_20230820215431faa.jpg
春子鯛♡♡
とろりととろけるような春子鯛。シャリの塩味と上に乗せた塩と酢橘で、より輪郭を成す甘味と旨味が最高の一貫。


IMG_7598_202308202154346a9.jpg
赤身漬け
今回は青森県大間産。天身の部位を薄く切りつけ、漬けにしてから折り畳んで握られる独特な漬け。身はねっとりとし、食べ終えてからも尚、口の中にあるような存在感のある香りが素晴らしい。


IMG_7600_20230820215437d6b.jpg
血合いぎし♡♡
身のとろけ方、香りが1番映える部位。切りつけも厚くて、口の中での鮪の存在感が圧倒的で美味しい。


IMG_7602_20230820215439e8f.jpg
北寄貝*♡
ビッシリとついたワタの部位を上にしているので、舌にダイレクトに当たり、極上の甘味を味わえます。


IMG_7603_202308202154425a1.jpg
大トロ
コッテリとした脂の甘味がありつつも、夏らしい酸味や香りも楽しめます。


IMG_7604_202308202159550e8.jpg
煮蛤*♡
確りと味が染み込んでおり、ずっと噛んでいたくなるほどの旨味の溢れ方があります。


IMG_7605_2023082021595854b.jpg
新いくら
皮は薄く、弾けるというよりはとける感じ。いくら本来の旨味が濃く、海苔の香りも映えます。


IMG_7606_20230820215958d56.jpg
車海老♡♡
食感・温度・香り・甘味の全てがパーフェクトな車海老。


IMG_7607_2023082022000178e.jpg
蝦夷馬糞海胆
海苔がないので、純粋に海胆の旨味と甘味を感じられます。なんといっても、香りが凄い。


IMG_7609_20230820220001f9a.jpg
赤海胆*♡♡
甘味だけでなく、仄かな苦味の複雑さがあり、これこそ赤海胆ならではの楽しみ。


IMG_7611_20230820220014723.jpg
浅蜊の潮汁
仄かな塩気で、浅蜊の旨味を全面に出した潮汁。


IMG_7613_20230820220014f9f.jpg
穴子
煮つめで。舌に絡みつくようなトロトロ加減で、皮のゼラチン質が留まり、旨味を広げていくよう。


IMG_7614_20230820220005167.jpg

いつもの握りで。シャリの塩気で押し上げられるような玉の甘味がより感じられます。

東京・水天宮近くにある「日本橋蛎殻町 すぎた」に再訪。ピンと張り詰めた空気を和ますのは、店主・杉田 孝明さんの存在感であり、供される鮨や料理の美味しさでしょう。豪華な食材を見せつけるようなエンターテイメント性はありませんが、優雅に杉田親方の握る姿に誰もが目を奪われます。
今回はちょうどお盆直前、しかも台風で魚がない。そんなタイミングでしたが、新子などのこの時期ならではの新物を楽しむことができて大満足です。ネット予約に移行されて、まさしく神頼り的な再訪になりますが、出来るならば今年中にもう一度くらいは杉田親方の鮨を味わいたいです。

IMG_7599_20230820215434199.jpg

杉田親方、今回もたくさんありがとうございました!また是非宜しくお願いします。


湯呑コレクション

IMG_7574_202308202202306bd.jpg

IMG_7590.jpg

IMG_7576.jpg

IMG_7597_20230820220235d5f.jpg

IMG_7601_20230820220235872.jpg

IMG_7608_20230820220238431.jpg

IMG_7612_20230820220238e55.jpg

日本橋蛎殻町 すぎた
東京都中央区日本橋蛎殻町1-33-6 ビューハイツ日本橋 B1F
03-3669-3855
寿司 / 水天宮前駅人形町駅茅場町駅

夜総合点★★★★★ 5.0



食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
この記事のURL | 極上の鮨 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
nao.の極上の鮨「すし良月 #8」
- 2023/09/02(Sat) -
IMG_7342_202308072250144c9.jpg

ありつつも君をば待たむ/すし 良月


IMG_7345_20230807225016b91.jpg
黒鮑
湯気が立ち上る器の中にあるのは、大きな黒鮑。目の前で切られるだけでも鮑の香りが凄く、口の中に入れるとムチムチとした食感の後に爆ぜる香りが素晴らしい。


IMG_7346_20230807225016f28.jpg
いちご煮
今いただいた鮑の煮汁に熊本県天草産の赤海胆を加えたもの。
衝撃的に甘く、そして後味にほろ苦さが残る赤海胆が鮑の香りを纏う感じで、いつもながらに美味しい。


IMG_7347_20230807225019765.jpg
黒鮑の貝柱
先程の黒鮑の貝柱の部位のみを薄切りにして、酢橘を搾って。
生ならではの鮑の香りがあり、酢橘の酸味で輪郭を成す甘味も秀逸。


IMG_7349.jpg
白甘鯛♡♡
愛媛県宇和島産。身は昆布〆して、目の前で皮目だけを炭火を炙ってから供されます。
口に入れると、炙られた表面はパリパリと小気味よく、締まった身はモチモチとして旨味が溢れます。


IMG_7352_20230807225022767.jpg
焼き鳥貝♡♡
京都府宮津産。身は軽く炙ってから酢橘、珍しい肝は更に炙ってから供されます。
肉厚でザクザクとした食感があり、溢れる甘味が素晴らしい。そして、驚愕するのは肝。少量でも磯の香りがぶわっと広がり、甘味も素晴らしいのひと言。


IMG_7353_20230807225022ec1.jpg
黒鮑の肝ポン酢
先程の鮑の肝をあえて、生で。爽やかな肝の旨味があり、足りない塩分をポン酢が補っています。


IMG_7355_20230807225025683.jpg
牡丹海老の炭火焼き
特大の牡丹海老を前岩親方の故郷である和歌山県産の「三ツ星醤油」を塗って、炭火焼きした「すし 良月」のシグネチャー料理の1つ。
表面は火を通したことで、とろりととろけるような食感になり、中心部はレアなので舌に絡まるような2段階の食感があります。そして、甘味も火を通した部位と生の部位で異なる甘味があり、実に美味しい。


IMG_7358_20230807225025d80.jpg
鱧のお椀
「心が綺麗な方にだけ見えますw」という鱧のお椀。塩で脱水させた鱧をそのまま骨も一緒に出汁を抽出することで臭みなども取れて、濃度もいい塩梅になるらしい。
味わうと分かる鱧の存在感。ですが、私には鱧の姿は見えなかったですw


IMG_7359_202308072255437be.jpg
中トロ
青森県大間産の延縄。口に入れた瞬間にとろけ、シャリと混ざり合って甘味が広がり、食べ終えて尚、口の中にまだあるかのような存在感のある香りが素晴らしい。


IMG_7361_2023080722554651e.jpg
大トロ
同じ魚体。鮨店でまず他店で見たことがないヒートランプで温度を上げられた大トロの口溶けは更に素晴らしく、香りの代わりに甘味が広がります。


IMG_7363_20230807225546159.jpg
赤身漬け
赤身を切りつけてから刷毛で醤油を塗ってから重ねて合わせることで、お互いの旨味を移らせるという独特な漬け。口に入れると、シルクのような口当たりで、爆ぜるような酸味と香りが素晴らしい。


IMG_7366_20230807225549cf3.jpg
泥障烏賊
酢橘と塩で。両面に包丁を入れているので、口の中での解け具合とシャリとの一体感のスピードが凄い。サクサクとした墨烏賊もいいですが、泥障烏賊の甘味が好きです。


IMG_7368_202308072255491bd.jpg
喉黒の蒸し鮨
喉黒を使った手毬鮨を自家製ポン酢と共に蒸しあげたもの。
ひと口でいただくと、蒸しあげたことで濃密な喉黒の旨味がより溢れ出し、ポン酢の酸味でより甘味も強く感じられます。


IMG_7369_202308072255502a1.jpg
笛鯛
京都府串本産。瞬で溢れ出る甘味が秀逸で、シャリの塩・酸味でより強く輪郭を成すかのよう。


IMG_7370_20230807225552fe4.jpg
縞鯵
京都府串本産。間に紫蘇を入れる仕立てで、縞鯵の旨味と甘味が映え、最後に紫蘇の爽やかさが駆け抜けていくような感じ。


IMG_7371_20230807225555bc5.jpg
石垣貝♡♡
丸々一個を握った石垣貝はザクザクとした食感があり、それを楽しんでいると濃密な甘味が溢れ、最後に香りがふわりと鼻から抜けます。


IMG_7372_2023080722555531f.jpg
鬼鯵
兵庫県明石産。薄く切りつけてから2枚重ねてから握られます。鯵としてはかなり大きく、爽やかなだけでなく、どっしりとした旨味が濃厚。


IMG_7373_2023080722555819b.jpg
毛蟹の蒸し鮨
大葉の上にシャリと毛蟹を大量に乗せて、蒸しあげたもの。
蓋を取ると、湯気と共に大葉の爽やかな香りが立ち上ります。シャリの酸味が毛蟹の甘味をより引き出しており、美味しい。


IMG_7375_20230807225558767.jpg
新子
2枚付け。初めは酢の味わいがしますが、徐々に新子の旨味が溢れ出しきます。


IMG_7376_20230807225559710.jpg
赤海胆♡♡
福井県小浜産。濃密な甘味の中に複雑な旨味があり、後味はとても綺麗。


IMG_7377_20230807225601cae.jpg
穴子巻き♡♡
来店が土用の丑の日近くだったので、穴子の棒鮨を玉子で巻いたもの。玉子のコクと甘味がふんわりと穴子を包んでおり、定番化を望むひと皿。


IMG_7380_202308072259179df.jpg
平鱸(追加) ♡
シャリの塩味で押し上げられた旨味が実に濃厚で、後味に残る甘味が愛しいほどに美味しい。


IMG_7381_20230807225920a78.jpg
赤海胆(追加) ♡♡
愛媛県産。ぶわっと広がる甘味が素晴らしく、口の中に残る甘味さえも余韻長く楽しめます。


IMG_7383_2023080722591907b.jpg
鶏魚(追加) ♡♡
愛媛県今治産。腹の部位で、咀嚼する度に溢れる甘味が秀逸。


IMG_7384_20230807225922ab2.jpg
赤海胆(追加) ♡♡
和歌山県由良産。どこか爽やかな柑橘系の味がし、後味は複雑な苦味と甘味が映えます。


IMG_7386_202308072259229a2.jpg
(追加) ♡
熊本県天草産。肉厚なので口の中で主張する存在感があり、爽やかな旨味が駆け抜けていくかのよう。


IMG_7387_20230807225925403.jpg
白海老昆布〆(追加) ♡
脱水して旨味が凝縮しており、仕上げに絞った酢橘の爽やかが映えて、その後旨味と甘味が広がります。


IMG_7388_202308072259256c7.jpg
目一鯛(追加)♡♡
とろりとした濃厚な甘味があり、白身ということを忘れてしまうほどの美味しさ。


IMG_7389_202308072259265af.jpg
金目鯛
皮目の面積が多く、その皮目の甘味がジュワッと溢れます。皮目を炙って脂を出す仕立てが多い中で、香ばしさがない綺麗な仕立ては素晴らしい。


IMG_7390_20230807225929d78.jpg
鰹のハラス(追加) ♡♡
藁でスモークした鰹のハラス。鰹と言われなければ全く分からないような濃厚な旨味があり、出逢えたならば必食の一貫。


IMG_7391_202308072259325ae.jpg
馬糞海胆(追加) ♡♡
北海道利尻産。海苔の香りがした後に一気に押し寄せる馬糞海胆の甘味がまるでジュースのように口いっぱいに広がります。


IMG_7392_20230807225932963.jpg
穴子(追加)♡♡
香りと旨味もある穴子は煮つめでよりその旨味を倍加・累乗しており、とろけるだけでなく確りと穴子本来の味わいも感じられて美味しい。


IMG_7393_20230807225935e35.jpg

帆立を入れた玉は口の中でシュワって溶けるような食感。シャリと共にいただくことで、より甘味を感じられます。

広尾にある「すし良月」に再訪。店主・前岩 和則さんの故郷である和歌山県を中心にした食材を多く取り入れて、確りと店のコンセプトを感じられる鮨店です。「牡丹海老の炭火焼き」はスペシャリテと呼べる美味しさと顔のある料理であり、コースで供される鮨は味の濃淡だけでなく、温度差による緩急もあるので、まるでドラマを観ているかのような楽しさがあります。そして、今回は多くの白身を出していただき、その美しい身から想像できない力強い旨味と甘味をより多く実感でき、楽しむことができました。

IMG_7360_2023080722502855d.jpg

長い時間楽しませていただき、ありがとうございました。また次回も楽しみにしております。

今回出逢ったお酒

IMG_7343_20230807230647df6.jpg
廣戸川 特別純米酒


IMG_7344_2023080723064901c.jpg
磯自慢 純米大吟醸40 古家


IMG_7357_202308072306518df.jpg
飛露喜 特別純米


IMG_7350_20230807230652432.jpg
加茂錦 荷札酒 出羽の里 純米大吟醸


IMG_7362_20230807230654b20.jpg
高砂 純米大吟醸


IMG_7367_20230807230654bfa.jpg
九頭龍 氷やし酒


IMG_7374_20230807230656206.jpg
水尾 特別純米酒 金紋錦仕込


IMG_7379_20230807230658e4b.jpg
寒紅梅 純米吟醸酒 NATSU酒 ペンギンラベル


IMG_7378_202308072306596c1.jpg
勝駒 純米吟醸


IMG_7385_20230807230701930.jpg
加茂錦 荷札酒 純米大吟醸 播州山田錦 生酒


IMG_7382.jpg
菖蒲渓 生酛 特別純米酒 生

すし良月
東京都渋谷区恵比寿2-37-8 グランデュオ広尾 1F
050-3390-0121
寿司 / 広尾駅白金台駅

昼総合点★★★★★ 5.0



食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
この記事のURL | 極上の鮨 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
nao.の極上の鮨「鮨 つぐ #2」
- 2023/08/09(Wed) -
IMG_7029_2023071122181066d.jpg

みをつくしてや 恋ひわたるべき/鮨 つぐ

前回の訪問から5ヶ月…「関内の奇跡」とも言うべき鮨店「鮨 つぐ」にやっと再訪です。2021年にオープンしたこの鮨店は古いビルの中にありながらも、とてもスタイリッシュ。ジャズが流れる店内は10席のカウンターと個室があり、その全ての鮨を握るのが親方の髙田 直嗣さん。客一人一人に挨拶を交わして、今夜の宴が始まります。

IMG_7032_20230711221813c89.jpg
中トロ
和歌山県産。初手は鮨の花形である鮪。口溶けよりも香りが強く、舌触りがとてもシルキー。


IMG_7033_20230711221815910.jpg
枝豆


IMG_7034_20230711221816a56.jpg

宮城県産戻り鰹。夏らしくあっさりとしていながら、鉄っぽさはなくて旨味が強い。


IMG_7035_20230711221818653.jpg
真鯛
鹿児島県産の天然。酢橘の爽やかな酸味がより真鯛の甘味の輪郭をはっきりさせていて、咀嚼する度に甘味を感じます。


IMG_7036_20230711221819aec.jpg
帆立の磯辺焼き
宮城県産。海苔の香りが映え、ザクザクとした帆立の筋繊維が断ち切ると甘味が映えます。


IMG_7038_202307112218206d8.jpg
茶碗蒸し
上にトウモロコシの摺流しをかけて。茶碗蒸し自体は変哲もないものですが、トウモロコシの摺流しがとても甘くて美味しい。


IMG_7039_20230711221822fd4.jpg

鹿児島県出水産。薬味の爽やかさ、そして鯵の爽やかな旨味が颯爽に駆け抜けていくかのような味わい。


IMG_7040_20230711221823952.jpg
はりはり漬け


IMG_7041_20230711221825583.jpg
メヒカリの一夜干
千葉県産。フワフワな食感に旨味と脂が凄い。


IMG_7042_202307112218264bc.jpg
金目鯛
千葉県銚子産。軽く皮目を炙ってから握られます。肉厚で炭の香りも纏わせており、口の中で爆ぜるような甘味が印象的。


IMG_7043_20230711222149b2c.jpg
平貝
愛知県産。柚子や海苔などで香りを上乗せする仕立ても多いですが、どストレート。少しクセのある甘味の中で、香りが華やぎます。


IMG_7044_202307112221521b0.jpg
蛸の桜煮
神奈川県横須賀佐島産。柔らかくも、確りと蛸らしさも残っており、香りが高い。


IMG_7045_202307112221523b8.jpg
ゴーヤの浅漬け


IMG_7046_202307112221543ae.jpg
クリームチーズの味噌漬け & たらこの山山葵漬け
とてもいい酒盗。特にクリームチーズの味噌漬けは、真似をしたくなる美味しさ。


IMG_7048_20230711222154db1.jpg
蝦蛄
宮城県産。山葵と煮つめという好みの仕立てですが、雌というのが個人的にマイナス。


IMG_7049_202307112221570a3.jpg
北紫海胆
岩手県産。映える殻付きのものを肴として。香りが活きており、甘味よりも香りがグッときます。


IMG_7051_202307112221576f5.jpg
べったら漬け


IMG_7052_20230711222159722.jpg
蜆の潮汁
とても好みの濃度で、家に常備したい美味しさ。


IMG_7053_20230711222200c87.jpg
赤身
舌に吸い付くような舌触りで、食べ終えても尚、口の中にあるかのような香りが印象的。


IMG_7055_20230711222202288.jpg
穴子
よく握れるなぁと思うほどにトロトロな穴子は、口に入れた瞬間に香りを残して消えます。


FullSizeRender_20230711222205904.jpg
ネギトロ巻
粗目に切られた玉葱が斬新で、口の中でザクザクとした食感を生み、長葱とは一線を画す甘味と香りが広がります。


IMG_7059_2023071122220501c.jpg

中には帆立が入っており、その味わいが強く感じられます。


IMG_7060_2023071122220861c.jpg
赤海胆(追加)♡
大分県豊後水道産。甘味と苦味のバランスがよく、複雑さがあり美味しい。


IMG_7061_20230711222208cff.jpg
甘味
小玉西瓜。

IMG_7031_2023071122181368a.jpg

食材は決してピンのものではないでしょうが、握りも確りと食べさせ、肴や箸休め的な漬物があるので、兎に角お酒が進みます。そして、何よりも驚くのがこのコースが10000円という素晴らしい価格帯ということ。お酒も都内に比べてもリーズナブルなので、決してお酒で利益を出すようなお店でもなく、酒豪の方にもお薦めです。しかしながら…この味わいと価格帯から予約がなかなか取れません。既に今年は満席だそうで、来年の予約もまだ始まっていない状態でもどかしい。とりあえず、年内あと1回予約が残っているので、その日を楽しませていただきます。

今夜出逢ったお酒

IMG_7030_202307112222095d6.jpg
日高見 超辛口純米酒


IMG_7037.jpg
山川光男 2023 なつ


IMG_7047_20230711222212f80.jpg
わかむすめ 月草

鮨 つぐ
横浜市中区住吉町5-57-2 TYビル 2F
045-225-9117
寿司 / 馬車道駅関内駅桜木町駅

夜総合点★★★★ 4.4



食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
この記事のURL | 極上の鮨 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
nao.の極上の鮨「鮨がみ」
- 2023/07/07(Fri) -
IMG_6641_20230601231457b0d.jpg

君に恋ひ甚も術なみ/鮨がみ


IMG_6654.jpg

2021年夏、水天宮に会員制鮨店としてオープンした「鮨がみ」。会員制ということもあり、私には全く縁のないお店…と思っていたのですが、ご縁をいただき初訪問となりました。
水天宮にあるロイヤルパークホテルの裏手に喧騒から逃れるようにひっそりと佇み、鸚緑の長暖簾がゆらりと揺れているのが印象的なお店。ガラリと戸を開けると、少しのアプローチを経て緩い弧を描く檜の一枚板のカウンターと店主・坂上 剛さんが出迎えくれました。坂上さん(通称がみさん)はコンラッド東京「風花」やグランドハイヤット東京「六緑」の鮨料理長を歴任された方で、鮨を握って33年という大ベテラン。ほぼ毎日投稿してらっしゃるインスタでは「海のジビエ」と称して、実に美味しそうな食材をあげており、期待も高まります。


IMG_6644_20230601231458ddf.jpg
海ブドウと桜海老
プチプチとした海ブドウの食感と見事な大きさの桜海老は香ばしさと旨味があり、別々にいただいても一緒にいただいても美味しい。


IMG_6645_20230601231500427.jpg
板屋貝と胡瓜の胡麻塩和え
帆立に近い貝だそうですが、水っぽさがなくてより旨味が濃い。ちょっとピリ辛なのが、ジメッとした季節に丁度いい。


IMG_6646_20230601231501e9e.jpg
ニタリ鯨の尾の身
魚とは一線を画す濃厚さと旨味があります。トロリとした感じではなく、口の中でゆっくりゆっくりと旨味を出しながらとろけていき、ずっと口の中に入れておきたくなるほどの美味しさ。


IMG_6647_20230601231503d4a.jpg
白烏賊の生下足の酒盗和え
塩辛いからお酒が進むのでなく、旨味が強いから酒が進むという感じ。食べ終えて、烏賊の甘味が口の中に残ります。


IMG_6649_20230601231504674.jpg
鮟肝
上に乗っているのは、かんずり。
かんずりの辛味でより甘味の輪郭を出しており、鮟肝の旨味がギュッと詰まっています。


IMG_6651_202306012315067d4.jpg
毛蟹のミルフィーユ
北海道の北側で取れた毛蟹だそうで、味付けは塩のみ。口に入れると、瞬時に香る毛蟹の香りが凄く、余分な水分を一切感じないような濃密さと食べ終えても残るような甘味が素晴らしい。


IMG_6653_20230601231507a92.jpg
葱鮪♡♡
味付けは塩のみで、仕上げに七味を少々。まさに葱と鮪。部位的には尻尾だそうで、焼くことで筋も溶けて、凝縮する旨味が美味しい。


IMG_6655_20230601231511dbd.jpg
白烏賊
長崎県産。夏はコレをメインに握っているそうで、軽く湯引きして冷水で〆てから握られます。醤油で浮かび上がる細工包丁の見た目が美しく、口の中で広がる甘味が凄い。


IMG_6657_20230601231513d02.jpg
白川
咀嚼する度に濃密な甘味が溢れて出し、その甘味は食べ終えても尚、口の中に残ります。


IMG_6658_20230601231746477.jpg
シロシブダイ♡♡
鹿児島県南九州産。白川に比べて、より上品な甘味があって旨味が濃厚。しかしながら後味は綺麗で、白川が霞む美味しさ。


IMG_6659_20230601231748009.jpg
鱚昆布〆
千葉県富津産の江戸前もの。鱚自体が肉厚で、噛み締めると昆布の旨味がジュワッと溢れ出し、鱚本来の旨味と混ざりあいます。


IMG_6660_20230601231751786.jpg
縞鯵
身も柔らかく、シャリと確りと混ざり合うことで、口の中は旨味と甘味の爆流が支配します。


IMG_6661_202306012317519b1.jpg
真鯵♡♡
兵庫県淡路産。初めに薬味の爽やかさ、その後に肉厚な身から溢れ出す圧倒的な旨味が素晴らしい美味しさ。


IMG_6662_20230601231754e86.jpg
喉黒
皮目だけを軽く炙ってから握られる喉黒。皮と身の間の脂はトロトロとし、それでいて身は旨味があって美味しい。


IMG_6663_202306012317545b1.jpg
小鰭
千葉県船橋産の江戸前のもの。小鰭にそれほど酸は感じず、まず感じるのは旨味。その旨味は味わったことがないほどに圧倒的。


IMG_6665_20230601231757916.jpg

IMG_6669_20230601231759da8.jpg
鳥貝♡♡
石川県七尾産の活け鳥貝を目の前で剥き、サッと湯引きして握られます。
ここまで肉厚な鳥貝は出逢ったことがなく、口の中で爆ぜるような香りと甘味が素晴らしい。まるで海そのものを食べているかのよう。


IMG_6672_202306012320491cf.jpg
ガス海老♡♡
都内ではまず出逢えないまさかのガス海老。ねっとりと舌に絡みつくような甘味があり、甘海老よりも極濃厚。


IMG_6671_2023060123204640c.jpg

IMG_6674.jpg
牡丹海老♡♡
ここまで大きな牡丹海老にデフォルトではまず出逢えないでしょう。極太の身はプリッとした食感にガス海老より上品な甘味があり、恍惚とする美味しさ。


IMG_6677_2023060123205268b.jpg
中トロ
揚がって3日目だという宮城県塩竈産143キロの腹かみ1番。口の中でゆっくりと口溶けし、その旨味はこってりとして濃厚。まるで冬の時期の鮪のよう。


IMG_6678_20230601232052646.jpg
完熟大トロ
同じ産地ですが、脅威の熟成50日目だそう。香りはほぼ感じないながらも凝縮した旨味と甘味が段違い。まさしく完熟!


IMG_6680_2023060123205597a.jpg

IMG_6681_20230601232057bfa.jpg
北紫海胆♡♡
北海道函館産「橘水産」の競札1番のもの。瞬時に溶ける海苔も凄いですが、それがぶっ飛ぶほどの北紫海胆の凄い香り。軽やかな甘味もあり、余韻も長く楽しめます。


IMG_6682_202306012320575f6.jpg
穴子
コースの中盤で仕込む穴子は、なんと本当の煮上がり。身も厚くて香りも感じられて、布団のようにモフモフ。


IMG_6684_20230601232059fed.jpg
牡丹海老のポタージュ♡♡
先程の特大牡丹海老の頭を使った味噌汁。マズいわけがなく、供されると香る匂いだけで海老好きにはたまらないはず。しかもこの味噌汁、オープンから約2年ずっと継ぎ足しているそうで、香りと旨味のレベルが違います。


IMG_6686_202306012321006af.jpg
トロたく(追加)♡
先程の中トロ・大トロを短冊切りにして沢庵・大葉・胡麻と共に巻いたもの。
鮪の旨味に沢庵の甘味がいいアクセントになっており、巻物にしても感じる圧倒的な鮪の存在感は美味しい以外にありません。

IMG_6666.jpg

会員制鮨店ということで、どれだけ敷居が高いのかと思っていましたが…雰囲気は街場の鮨店のような緩さがあり、親方と女将さんとの阿吽の呼吸の掛け合いが実に面白い。そして注目の料理ですが…魚の需要と供給がアンバランスという中で、これだけのクオリティの食材を集められるとは。食べ比べという形で供される鮨に感じられる仲買人からの厚い信頼は、「美味しい」のひと言だけでは言い表せません。是非また信頼が成せる熱い魂宿った鮨を食べさせてください。

鮨がみ
東京都中央区日本橋蛎殻町2-10-11 ラ・パレス 1F
寿司 / 水天宮前駅人形町駅浜町駅

夜総合点★★★★ 4.9



食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
この記事のURL | 極上の鮨 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
nao.の極上の鮨「くろ﨑 #18」
- 2023/06/27(Tue) -
IMG_6511_20230601224855862.jpg

いづれの日まで吾恋ひ居らむ/くろ﨑


IMG_6515.jpg
金目鯛のしゃぶしゃぶ
金目鯛を厚く切りつけて、しゃぶしゃぶしてポン酢とかんずりで。
金目鯛の旨味と甘味がダイレクトに味わえ、かんずりの辛味がいいアクセントになっています。いつもながらに美味しい。


IMG_6518.jpg
鳥貝 & 北寄貝
鳥貝は軽く炙っており、口に入れると炭の香りがふわりとして、鳥貝の甘味が広がります。そして北寄貝は貝の出汁をかけて火入れしているそうで、びっしりとついたワタが絶妙に甘く美味しい。


IMG_6519_202306012249007c8.jpg
メヒカリ
とても軽い食感ですが、旨味と甘味が小さな身からは想像できないほどに溢れます。


IMG_6523_20230601224901100.jpg
縞鯵
口に入れた瞬間に身がとろりとし、シャリの酸と塩でより旨味の輪郭が際立ちます。


IMG_6525_20230601224905df3.jpg
皮剥♡♡
身と肝に違う仕事を施し、身の旨味の後を追いかけるように肝の旨味がグッときます。「くろ﨑」で必食の一貫。


IMG_6527_2023060122490746c.jpg
蛍烏賊
上は藁で燻したもの、下には叩いて裏漉しして酒を入れて火を入れたもの。
蛍烏賊はプリプリとした食感と薫香が鼻を抜け、ペーストのは旨味のインパクトが凄すぎる。最高のアテです。


IMG_6529_20230601224909b62.jpg
小鰭
皮目も柔らかく、咀嚼の度に酸と旨味が同時に溢れてきます。


IMG_6530_20230601225139c22.jpg
車海老
ちょっと温度は高め。プリプリとした身は厚くて食べ応え抜群で、甘味と香りも映えます。小鰭の酸が口の中に残っているうちに食べることで、より甘味を感じられます。


IMG_6533_20230601225141d00.jpg
伊勢海老の茶碗蒸し
今回は蓋を開けると、伊勢海老の身がドーンと鎮座しており、ブリブリの身は美味しい以外の言葉がありません。卵液にも伊勢海老の殻や頭から取った出汁を入れており、まさに伊勢海老を味わうけしからん茶碗蒸し。


IMG_6535_2023060122514315a.jpg

塩で脱水させているそうで、旨味が凝縮しており、口に入れた瞬間から爆ぜるような美味しさ。


IMG_6537_20230601225143d9e.jpg
北紫海胆
北海道噴火湾産。海苔の香りが映え、海胆の甘味や微かなほろ苦さがオトナの味わい。


IMG_6538_2023060122514589f.jpg
蛇腹漬け
今回の鮪は宮城県塩竈産。「くろ﨑」の鮪は全て漬けにすることで脱水させており、旨味の凝縮が凄い。シャリも鮪のタイミングで切り立てを用意しているそうで、まだカドが立つ酸でより鮪の甘味が引き立ちます。


IMG_6539_202306012251487c9.jpg
赤身漬け
魚体変わって、青森県下前産の釣り。脂は薄めながらもコクが強くて味わい深い。食べ終えて口の中に残る香りと酸味が心地よい。


IMG_6540_2023060122514748c.jpg
霜降り漬け
鮪3連弾の最後は霜降りの部位。旨味溢れる鮪と酸が立つシャリのマリアージュが実に素晴らしい。


IMG_6541_202306012251511fe.jpg
車海老の頭
先程の車海老の頭を焼いたもの。握りでは使わない海老味噌がここで活きます。


IMG_6545_20230601225152072.jpg
干瓢巻き
古典的な干瓢巻きをデフォルトコースに組み込んでいるのが、この「くろ﨑」の粋なところ。貴重な無漂白の干瓢はほんのりと温かく、海苔は香り高く、口の中で瞬時に溶けて一体化します。


IMG_6546_202306012251536a6.jpg
浅蜊・蜆・蛤・北寄貝の出汁
旨味が実に濃くて、家に常備しておきたい美味しさ。


IMG_6547_202306012251559b7.jpg
海松貝のハカマ(追加)♡♡
海松貝の水管ではなく、その根元の部位。ザクザクとした食感のイメージが強い海松貝を払拭するようなとろりとした舌触りと激甘なワタが印象的。


IMG_6548.jpg
蝦蛄(追加)♡♡
江戸前の漬け込みという仕事を施した蝦蛄は咀嚼すると、身がしまっているのがよく分かる確りとした食感。香りも立ち、蟹のような旨味が広がります。


IMG_6549_2023060122520082b.jpg
穴子(追加)♡
長崎県対馬産。肉厚なことにも驚きましたが、1番は香り。口の中で溶けて、ぶわーっと立つ香りが凄い。


IMG_6550.jpg

カステラとプリンの二層から成るハイブリッドタイプ。味の決め手は黒糖焼酎。

IMG_6524_202306012249034ca.jpg

表参道にある「くろ﨑」に再訪。店主・黒﨑 一希さんが「これから先、何十年もここで握る」という決意を表したお店で、建築家・石井 秀樹さんと左官師・久住 有生さんが手掛けた洗練された空間です。
供されるものはまさしくピンの食材であり、江戸前鮨の仕事を土台としながらも独自のセンスで施す仕事がより食材を輝かせていると思います。肴は確りと飲ませ、鮨は確りと食べさせる絶妙なバランスで、どの季節に訪れてもハズレのない美味しさが「くろ﨑」にはあります。


今夜出逢ったお酒

IMG_6514_202306012254342c8.jpg
賀茂金秀 辛口夏純


IMG_6522_202306012254340b8.jpg
天美 特別純米


IMG_6532_20230601225437850.jpg
ゆきの美人 完全発酵


IMG_6542_20230601225438939.jpg
flamingo orange

くろ﨑
東京都港区南青山4-16-15 FPG links MINAMIAOYAMA B2F
03-6455-4596
寿司 / 表参道駅外苑前駅乃木坂駅

夜総合点★★★★★ 5.0



ブログランキング参加中です愛のクリック、お願いしまーす

食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログへ
この記事のURL | 極上の鮨 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
| メイン | 次ページ