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nao.の最高のランチ「北島亭 #11」
- 2023/08/14(Mon) -
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知らない幸福、知る不幸/北島亭


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胡瓜とミントの冷製スープ
シャリシャリとした胡瓜の食感の中、ミントの香りが仄かにして、実に爽やか。


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新玉葱のタルトフランベ
千切りされた新玉葱の甘味とクミンのスパイシーな風味が口の中に広がります。


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北海道産 生ウニのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのムース
生ウニは北海道根室産、上には秋田県産のじゅんさいと穂紫蘇が彩ります。
久しぶりに味わうスペシャリテは確りとしたコンソメのコクの中、ウニの旨味とカリフラワーの濃厚さが混ざり合うことで一体化して完全なる旨味へと昇華します。さすがは不動のスペシャリテ。素晴らしい美味しさと存在感があります。


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ハンガリー産 フォワグラのポワレ シェリーヴィネガーのクリームソース
ドーン!とトウモロコシのガレットの上に鎮座するフォワグラの圧倒的なボリューム感が素晴らしく、まさにちょうど火が通ったという絶妙さが凄い。フォワグラの旨味と甘味、そしてそれを上回るトウモロコシの甘味が折り重なり、シェリーヴィネガーの酸味がより甘味のハーモニーを口の中で強調させます。


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青森県産 あいなめのポワレ クリームソース仕立て
皮目にはセロリとクミンを乗せて焼き上げ、添えてあるのばビーツとインゲン。ソースは魚の出汁とクリームとドライトマト。
ふわりとした身に対して、パリッとした皮がとても印象的で、セロリとクミンの風味がより食欲を掻き立てます。ソースを絡めていただくと、旨味の累乗が感じられて美味しい。


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オーストラリア産 仔羊背肉の香草パン粉焼き 仔羊の煮込み添え♡♡
カットされた仔羊の背肉の何とも艶やかで惚れそうです。撫でるように切って、口に入れると、羊らしさもありつつも肉汁がドッパーンッと溢れ出します。凄いとしか言いようのない美味しさ。
そして、別皿の『仔羊の煮込み』もまた絶品。確りと煮込まれた仔羊はプルプルと震えるような柔らかさで、トロトロな夏野菜と共に食べれば至福の味わい。


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クレーム・ブリュレ
迷いましたが、定番のデセールを。ひと匙掬うだけで、たっぷりと入れられたヴァニラビーンズの甘い香りが立ち上ります。


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ミニャルディーズ
トドメのミニャルディーズは、サブレ・ドフィノワ・クロカンオザマンド・ノワドココ、どれも手抜きなく作られていて、美味しい。

久しぶりにやってきた四谷の老舗フレンチ「北島亭」。言わずと知れたオーナーシェフの北島 素幸さんが1990年にこの場所にオープンしてから30年以上、この地で移転も改装もせずに今も尚、多くの人の心と胃袋を掴んでいるフレンチレストランです。大石さんが独立されてメニューは減ったものの、その味わいは不変たる王道フレンチであり、圧倒的なボリュームであり、料理の1つ1つがまるで日本刀のような鋭さと美しさがあり、何よりも美味しい。食べ終えた客は皆、笑顔になるのは必然ですが、見送って下さる北島シェフの満面の笑みはまたここに来たいという思いに繋がります。

北島亭
東京都新宿区三栄町7 JHCビル
03-3355-6667
フレンチ / 四ツ谷駅四谷三丁目駅曙橋駅

昼総合点★★★★ 4.8



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nao.のたまに行くならこんな店「鰻はし本 #14」
- 2023/06/14(Wed) -
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わが恋ひわたるこの月のころを/鰻はし本

東京・八重洲の再開発の兼ね合いで移転してから初の「鰻はし本」。4代目店主の橋本 正平さんが拘り抜く素性の確かな鰻、そして老舗という地位に胡座をかくことなく、伝統と革新を融合させるような姿勢で作り出す鰻料理は多くの人の心を掴みます。

今回は昼に利用して、好きな鰻串と鰻重をシンプルにいただきます。


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鰻のハムと山菜
ねっとりとした鰻のハムは口の中の温度でゆっくりと旨味をとろけ出し、最後に鰻の甘味が残ります。


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しじみの酒蒸し
島根県神西湖産。殻に身がパンパンに詰まっており、パクパク食べていると、口の中に蓄積されていく旨味がとても濃く美味しい。食べ終えて、器に残る出汁までも非常に美味しい。


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肝焼き & う巻き
肝焼きは舌に絡みつくようなねっとり感と管のサクサクとした食感が同時に楽しめ、肝の旨味と苦味が心地よく美味しい。う巻きは卵のコクと甘味の中に確りと存在感を示す鰻の力強い旨味が素晴らしい。


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蒲穂焼き♡♡
裏メニューからスポットメニューへと変わり、夜であれば誰でも食べることができるようです。
鰻を開かずに串打ちして焼き上げた鰻は、旨味や甘味や香りの鰻らしさがダイレクトに感じられ、「骨までしゃぶりつく」という表現がしっくりくる美味しさ。


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レバー焼き♡♡
このひと串に一体何匹の鰻が使われているのだろうと考えてしまうほどにびっしりと串打ちされています。1つ1つは小さいながらもプリプリとして、旨味が弾けるように口の中で爆ぜます。


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ばら焼き♡♡
遠野米の濁酒で作った三杯酢「どぶ酢」を使った胡瓜揉みと共に。
ばら焼きはとろりとした食感の中、鰻とタレの旨味が混ざり合う極上の味わい。そして、それにどぶ酢の胡瓜を乗せて口の中で完成する鰻ざくにしていただきます。濁酒の旨味がグッときて、最後に強めの弾けるような酸味が鰻の旨味をより引き出しています。コレは新しいばら焼きの食べ方であり、鰻ざくの進化系だと思います。


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すっぽんの炭焼(小)♡♡
夜のみの料理でしたが、ダメ元でお願いしたら作ってくださいました。丁寧に炭火焼きされたすっぽんはまさに旨味の塊。部位は肩肉でしょうか。あっさりとして柔らかくて美味しい。次回は事前にお願いして、たっぷりと食べてみたい。


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骨せんべい
バリバリと食べれる鰻店の最高のアテ。


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鰻重(は)♡♡
重箱が供され、パカっと蓋を開けると一気に気分が上がります。今回の鰻は「鰻はし本」のフラグシップ鰻と謳っている鹿児島県「泰斗商店」の『横山さんの鰻』の6番仔。焼き上げる鰻は重箱に収まらないくらいの大きさと身が厚く、更には江戸前の仕立てですが、想像よりもフワトロ系ではなくて確りと鰻を味わえるような柔らかさ。「鰻はし本」の鰻重は老舗にありがちなタレこそ全てではなく、タレ少なめにかけられたご飯は固めで一粒一粒が立ち、確りと鰻を受け止めます。肉厚な鰻でもクドいことは微塵もなく、さらりとした綺麗な味わい。

今回は「鰻はし本」のフラグシップ鰻『横山さんの鰻』の入荷タイミングを見計らってやってきたので、久しぶりにたっぷりと堪能させていただきました。元々鰻が好きということもありますが、供される料理はどれも心に刺さる美味しさがあり、鰻という小さな魚体にとても大きな可能性を感じられます。特に今回は『ばら焼き』と共に供された「どぶ酢」でいただく新しい鰻ざくが非常に美味しかったです。夜から提供するという海鰻も非常に気になり、運があれば海鰻や天然ものを狙って食べてみたいです。

鰻はし本
東京都中央区日本橋3-3-3 いづみやビル 1F
03-3271-8888
うなぎ / 東京駅日本橋駅京橋駅

昼総合点★★★★★ 5.0



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nao.の最高のランチ「COTE D'OR #11」
- 2023/05/28(Sun) -
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思い出の美食の丘/COTE D'OR


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アミューズ・桜海老トースト
グリュエールチーズと桜海老の香りが織りなすひと口のトースト。


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茹で上げホワイトアスパラガス ドレッシングソース/Domaine du Nozay Sancerre Blanc
まずはそのまま食べると、芳醇な香りが口いっぱいに広がり、岩塩をつけるとホワイトアスパラガスの甘味が映え、マスタードのドレッシングをつければ酸味と辛味でより甘味が映えます。3種類の味わいが楽しめる素晴らしいひと皿。


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季節の野菜の蒸し煮冷製 コリアンダーの香り/Saint Aubin 1er Cru 'Sous Roche Dumay
言わずと知れた斉須シェフのスペシャリテの1つ。今回はランチコースに組み込まれていました。
レモンとビネガーで酸味をつけて、オリーブオイル・レーズン・コリアンダーと共に蒸し上げたもの。強い酸味を一本の軸として、それぞれの野菜の食感や甘味などの個性を活かして、皿にまとめ上げています。さすがスペシャリテ、実に美味しい。


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スペイン・ガルシア産 栗豚のロースト/Bouchard Père & Fils Gevrey Chambertin
スペインの銘柄豚だと「イベリコ豚」が有名ですが、この豚は餌に栗のみを食べさせており、通常の白豚より霜降りが多いそうです。
供された栗豚は表面にうっすらと焼き色がついているくらいで、全体的に淡いピンク色がとても綺麗。口に入れると、栗豚の肉質は柔らかく、噛み締める度に旨味がジュワッと溢れてきて、特に脂身の甘味が美味しい。ソースはジュとフォンドヴォーだそうですが、超絶に美味しい。


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ダージリンのソルベ
口直し。爽やかにレモンとダージリンが香るソルベで、食べるレモンティーのよう。


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イチゴのスープ 赤ワイン風味
フレッシュの苺が香り・甘味・酸味を感じられて、1番かと思っていますが…この料理をいただくとそんな考えは吹っ飛びます。香りと甘味は格段と跳ね上がり、苺らしい酸味も確りと感じられます。今季も食べられてよかった。

春の食材『ホワイトアスパラガス』を求めてやってきたのは、白金高輪にある老舗フレンチレストラン「COTE D'OR」
オーナーシェフの斉須 政雄さんが作り出す料理はダイナミックでありつつも、まるで木組みのような緻密さも感じられます。料理は恒常的なスペシャリテとそれぞれの季節にシーズナルスペシャリテが存在し、料理が人を呼ぶチカラになっています。そして料理だけでなく、スタッフ達が作り出す暖かな雰囲気もまたこのレストランの魅力の1つでしょう。いつ訪れても感動が溢れている素晴らしいレストランだと思います。

COTE D'OR
東京都港区三田5-2-18 三田ハウス 1F
03-3455-5145
フレンチ / 白金高輪駅三田駅田町駅

昼総合点★★★★★ 5.0



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nao.の最高のランチ「COTE D'OR #10」
- 2023/02/25(Sat) -
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美食の丘へ/COTE D'OR


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桜海老トースト
グリュエールチーズと酒粕を入れたトースト。いつもとは違う香りが印象的。


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黒トリュフ入りのかき卵 ワインソース/POUILLY FUISSE CLIMAT EN CHATENAY
今年も出逢えた黒トリュフを使ったこの時期ならではのスペシャリテ。全く映えない見た目ですが、供されるとふわりと立ち込める黒トリュフの蠱惑的な香りが一気に周りを包みます。濃密な卵のコクと甘味が黒トリュフを包み込み、口の中で爆ぜるように香りが広がります。旨味を更に掘り下げるような赤ワインソースもまた実に美味しい。個人的に最高の卵料理と思っています。


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魚介のプリン サフランソース/Meursault Les Clous Bouchard Père & Fils
供されると、サフランの香りが立ち込めるひと皿。中央にあるのは帆立・鰆を使ったプリンで、帆立の甘味と大きく切られた鰆が口の中で主張しており、サフランの香りと共に旨味が広がります。


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蝦夷鹿のロースト/CHAMBOLLE-MUSIGNY BOUCHARD PÈRE & FILS
カボチャのピューレと紫キャベツのマリネ添えて。
咀嚼の度に溢れる旨味と甘味があり、ソースはそれらを高めるような存在で蝦夷鹿自体が非常に美味しい。カボチャのピューレと共に食べれば旨味と甘味をプラスして、紫キャベツのマリネで口の中をリセット。無限ループとも思える美味しさの連鎖は皿の上から料理がなくなるまで続きます。


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チーズ/CHATEAU SUDUIRAUT


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アールグレイのソルベ
まるでアールグレイのレモンティーを食べているかのような爽快感。


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焼き芋のスフレ 焚き火で焼いた日を想って
初めて見るデセール。エアリーなスフレの底にはひと口サイズの焼き芋があって、素朴な甘味がこのスフレの中でより輝きます。


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プティフール

実に1年ぶり、白金高輪にある老舗フレンチレストラン「COTE D'OR」に『黒トリュフのかき卵』目当てで伺いました。変わらないゆったりとした時間が流れており、ここにいるだけでまるで緑が美しい森にいるかのように身も心も癒されます。オーナーシェフの斉須 政雄さんが作り出す料理は大胆でありつつも、確固たる芯が通っており、どれもハズレなく美味しい。流行り廃りのある時代の流れの中で生き続ける斉須シェフの料理は、やはり何よりも美味しいからなのでしょう。いつの時代でも「美味しいは正義」だと確信するレストランだと思います。

COTE D'OR
東京都港区三田5-2-18 三田ハウス 1F
03-3455-5145
フレンチ / 白金高輪駅三田駅田町駅

昼総合点★★★★★ 5.0



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nao.の最高のランチ「La Clairirere #15」
- 2023/02/08(Wed) -
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ひと昔前はジビエにどハマりしていて、シーズンの始まりを告げる雷鳥から鶉・鴨・鳩・熊・鹿などなどを食べてきましたが、最終的に私の中で鴨が一番かな?と思っていました。ジビエの中でも「ジビエの王様」と称される高級食材があります。


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べキャス

身よりも内臓や脳味噌が珍重されるジビエで、私も何度か食べる機会がありましたが、内臓から作られるソースはまるでアンチョビのような風味が独特すぎてあまり好きではなく、高額な金額を出してまで食べることはないと思っていた食材です。

とある朝、インスタを眺めていると「べキャス入荷」の投稿があって、何となくDMを送ったのが白金高輪にある「La Clairirere」です。オーナーシェフの柴田 秀之さんの料理は美味しいのは勿論ですが、ひと皿に込められている熱量が凄まじいので、「べキャスはどんな風になるのだろう?」という興味があったのです。


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Menu Bécasse


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エクレア
中にはブータンノアールが入っており、仕上げに例のカンボジア産の非加熱ハチミツをかけて。
口の中でサクリという音を立てて、ハチミツの濃密な甘味とクリームに入れられたカルヴァスの風味が広がり、ゆっくりとブータンノワールの旨味が溢れてきます。


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カリフラワーの三重奏
下から福島県須賀川産の蕪のムース、藻塩のジュレ、カリフラワーのヴルーテの三層からなるスペシャリテ。まさに旨味の塊で、カリフラワーの甘味も確りとしており、グラスの奥側にある塩を最後に混ぜ合わせることで味わいの輪郭もハッキリとします。


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海のサラダ
真牡蠣・帆立・筍・ちぢみほうれん草・菜花をソース・シャスールで。
全体的に甘味のある食材の中で、ソースに入れられた粒マスタードの酸味がとてもよく合います。そして、具材にあるトマト・ちぢみほうれん草・菜花が更なる酸味や苦味を与えているので、海鮮の旨味が映えます。


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べキャスのビスク♡♡
半身のべキャスを使ったビスク。底にはフォワグラがあり、上にはベーコンの旨味を乗せたミルクの泡とメダル状の黒トリュフ。
超絶に美味しい!少量でも口に入れると、猛烈な香りと旨味が広がり、フォワグラでコクをミルクの泡で旨味を黒トリュフで香りを跳ね上げ、美味しい以外の言葉が見つかりません。


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べキャスのロースト/NAUTIS-SAINT-GEORGES LES CHAIGNOIS 1998♡♡
べキャスの下には根セロリのピューレと紫キャベツのマリネ。
べキャスといえば、身よりも内臓が重要視されるジビエ。その内臓はどこか魚のようなアンチョビのような風味が特徴的です。しかしながら、このべキャスにはそれらが強烈には感じず、ただ旨味だけが濃厚且つ綺麗な味わい。身もジューシーで厚みがあり、確りと美味しい。
後から別皿で供された内臓をペースト状にしてパンに乗せたものが非常に美味しく、身よりもコレがメインを張れる美味しさ。久しぶりのべキャスは「ジビエの王様」と称されるのが実感できる素晴らしいひと皿でした。


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タルトタタン
紅玉とグラニースミスを使ったタルトタタン、年代物のアルマニャックを使ったバニラアイス、キャラメルアイス。
このタルトタタン、実に美味しい。初めは甘味が広がり、後から酸味が追いかけてくるように広がります。添えてあるバニラアイスも確りとアルマニャックの風味が活きていて美味しい。


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ミニャルディーズ
あまおうとフルールドビエール、ハチミツカヌレ、紅茶のフィナンシェ、フロランタン。

久しぶりとなるべキャスは非常に美味しかったです。これがジビエの王様たるべキャスの真の力なのか!肉だけならば、個人的には鴨が好きですが、内臓の旨味ならば別格の美味しさ。
コース全体を見ても、付け入る隙すらない完璧な料理の数々。やはり柴田シェフの料理は熱く、とても美味しかったです。

La Clairirere
東京都港区白金3-14-10 ベルパラーゾシロカネ 1F
03-5422-6606
フレンチ / 白金高輪駅白金台駅広尾駅

昼総合点★★★★★ 5.0



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nao.の最高のランチ「La Clairirere #14」
- 2022/12/29(Thu) -
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五感で味わう祈りのようなフレンチ/La Clairirere


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Menu Bénédiction-祝福-


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ブーダンノワール
ペースト状にしたブーダンノワールと苺の「とちおとめ」、その上からカカオパウダーをかけて、仕上げにカンボジア産の非加熱の真っ黒な蜂蜜を一滴垂らして。
初め苺の甘酸っぱさが映えますが、その後に蜂蜜の濃密さとブーダンノワールのコクが広がります。時間差で旨味が重なっていくようなイメージ。


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タラバガニ
供された瞬間に香るのは、最後にかけられた香川県産の「澳オリーブオイル」の鮮烈さ。口にすれば、凝縮されたブイヤベースの旨味がガツンときて、タラバガニの甘味が確りと感じられます。


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蓮根
キャビア・蓮根餅
蓮根の穴の中に蓮根餅を入れて、からりと揚げたベニエ。キャビアの塩気で蓮根本来の甘味が際立ちます。

蓮根のスープ・黒トリュフ・フォワグラ・白子・セップ茸
先程の蓮根が甘味ならば、コレは食感。食べるのを我慢できないほどの香りの誘惑が素晴らしい。フォワグラと白子からなる山と海の甘味の中で、蓮根のシャリシャリとした小気味良い舌触りを楽しみ、香りの爆弾に脳が震えます。


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北海道森町より 熟成ヒグマのコンソメ
熟成をかけた身と手の部位からコンソメを引き、ヒグマ・蕪・生雲丹・北寄貝・芹・なめこを合わせたもの。
ヒグマのコンソメは初めていただきましたが、少し酸味があるものの実に美味しい。合わせた食材と共にコンソメを飲むと、甘味・食感・香りがそれぞれにプラスされて、コンソメのまた違った一面が見られます。


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荒間鶏♡♡
この「荒間鶏」というのは所謂、老鶏なので身が固い。それを真空調理で13時間ほどかけて柔らかくし、ポロ葱と黒トリュフを合わせて、上に乗せているのは細切りのジャガイモを揚げたもの。ソースはこの老鶏で取り、ベルモット酒とエストラゴンで香りづけ。
この鶏は凄い。ポロ葱の柔らかさとジャガイモのカリカリの食感の中で、鶏の解されていながらも存在感を感じられる弾力がより映えます。旨味が強いながらも身は固くて食べられない食材を時間をかけることで、この料理に昇華しているシェフの情熱が作り上げたスペシャリテだと思います。


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オマールブルー♡♡
オマールブルーの爪の部位を海藻バターで温めるように火入れし、下にはオマールブルーの身・ジロール茸・カリフラワー。ソースは赤ワインベースで、仕上げにオマールブルーの内子で作ったソースをかけて。
まず香りから感じられる凄まじい海老感。内子のソースは香りだけでなく、旨味が何倍にもなるようで実に美味しい。爪の部位も大きく食べ応えがあり、口の中で弾けるような食感がたまりません。


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タルティーボ
シャリシャリとしたタルティーボの食感の中、サフラン・鰯の薫香・ピスタチオなどの幾重にも重なる香りの連鎖が楽しめるひと品。


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キンキのデュクレレ♡♡
北海道網走産のキンキをほうれん草・百合根・シャントレル茸と共にクラシックなデュクレレソースで。
軽い酸味の中で、このキンキが素晴らしく美味しい。身は口に入れると溶けるようで、旨味がジュワッと溢れます。


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新潟県燕三条産の青首鴨の四重奏♡♡
①せせり
フォカッチャ・せせり・ささみ・白トリュフ。
蠱惑的な白トリュフの香りの中で感じられるせせりの強い旨味とささみの柔らかさ。食べ終えても尚、感じるのは青首鴨の力強さ。

②胸肉
厚切りにした胸肉・根曲葱・蕎麦の実。
イメージは「鴨南蛮」だそうで、ソースも焼き上げた時のジュと葱で作っており、渡り鳥である青首鴨の力強い旨味が存分に楽しめる仕立てで、一番の好みの味わい。

③サルミソース
残りの胸肉は薄切りにして、内臓を使った伝統的なサルミソースで。

④手羽元・腿肉・ハツ・レバー・砂肝
黒胡椒を効かせたポワヴラードソース。


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アヴァンデセール
マンステールのアイス・フルールドビエール・胡桃・八朔。
上にある「マンステール」というチーズのアイスにミルク感があるのに驚くほどに後味は爽やか。フルールドビエールの香りもいい。


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デセール
洋梨尽くし。左からフレッシュルレクチェ・メレンゲ・洋梨のアイス・ラフランスのコンポート・柚子のソース。
芳醇な香りと甘味のルレクチェに対して、酸味のあるラフランスを柑橘系の柚子や花穂紫蘇と合わせることで、より爽やかな仕上がりになっていて、センスあるひと皿。


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茶菓子
左からフロランタン・松兵衛みかんとジン・カヌレ・フィナンシェ。

約一年ぶりとなる白金高輪にあるフレンチレストラン「La Clairirere」に再訪。ジビエでメニューが賑わう中で、この時期にはオーナーシェフの柴田 秀之さんが惚れ込んだ「新潟県燕三条産の青首鴨」を余すところなく使った料理が楽しめ、今回はそれがお目当ての食材です。

料理はおまかせコースであるMenu Bénédiction-祝福-をお願いしたのですが、最初に供されるアミューズからガラリと変わっていてビックリ。「仕事量を増やしても、料理のクオリティを上げる」という柴田シェフのスタンスは、新たなスペシャリテと呼べる『荒間鶏』からも感じられ、元より料理に対して熱い方でしたが、私が行かなかった空白の時間で凄まじい進化を遂げていました。料理の美味しさは勿論ですが、ひと皿に込めた柴田シェフの情熱を感じて欲しいと思えるレストランです。

La Clairirere
東京都港区白金3-14-10 ベルパラーゾシロカネ 1F
03-5422-6606
フレンチ / 白金高輪駅白金台駅広尾駅

昼総合点★★★★★ 5.0



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nao.の最高のランチ「銀座 大石 #9」
- 2022/08/05(Fri) -
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おいし、たのし、大好き/銀座 大石

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食材紹介


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バター茶
定番のスターター。コレを飲むことで、私の胃袋のゴングが鳴ります。


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牡丹海老と燻製キャビアのグジュール
今回のグジュールの構成は、ディル・燻製キャビア・桜海老・北海道増毛産牡丹海老。
鼻から抜けるキャビアの薫香が心地よく、熟成をかけた牡丹海老がねっとりと舌に絡みつき、甘味が広がります。
 

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馬糞雲丹のコンソメゼリー寄せ カリフラワーのムース
穂紫蘇が彩る北海道利尻産の馬糞雲丹を使った「北島亭」のスペシャリテのオマージュ。どこよりも儚い柔らかさのコンソメゼリーはどことなく「和」を感じさせ、底にあるカリフラワーのムースと混ぜ合わせることで確りとフレンチを感じさせます。


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努力のサラダ
ミックスリーフを中心に塩釜焼きされたビーツ・スナップエンドウ・雪下人参のソース・帆立・泥障烏賊ゲソ・ケール・赤パプリカのムース・トマト(OSMIC FIRST QUEEN)・ヤングコーンのヒゲ。
旬の野菜を盛り合わせたサラダで、生だけでなく仕事を施した野菜は異なる甘味があり、実に美味しい。野菜嫌いでも、きっと「野菜って甘くて美味しい!」と感じられるサラダです。


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鼈のコンソメスープ
これでもかと鼈と鶏をねじ込んだような旨味たっぷりのスープはひと口でガツンとくる美味しさで、浮かぶ柔らかく煮た蕪がいい箸休めとアクセントになっています。願わくば、家に常備しておきたい。


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銀座大石の八寸
所謂、オードブルバリエ。今回は8種の野菜のゼリー寄せ フレンチソース・本鱒のマリネ クリームソース・群上鮎のジャガイモのガダイフ 胡瓜のソース・フロマージュドテッド ラビゴッドソース。
それぞれの料理がひと皿として完成されており、贅沢なオードブルバリエです。中でも白眉なのは、群上鮎のジャガイモのガダイフでしょうか。今の時期に鮎はよく供されますが、フレンチならではのアプローチで美味しい。


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ホワイトアスパラとアスパラソバージュ
ホワイトアスパラにバジル・蛤・谷中生姜のソースをかけて、仕上げにレモンピールをかけていただくちょっと変わった料理。
ホワイトアスパラの甘味の輪郭がバジルと生姜とレモンの苦味でより鮮明となって、新しい「銀座 大石」の一面が垣間見れるひと皿。


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黒鮑のパイ包み
鮑を鯛のすり身とあおさのりと共にパイで包み、ジャガイモと野菜の出汁を使ったブールブランソースでいただく夏の定番料理。
重たいイメージのブールブランソースですが、バターを抑えて代わりにジャガイモを使うことでより軽くなり、白ワインビネガーの酸味で意外とあっさりと食べれてしまいます。サクサクのパイに包まれたムチムチとした鮑が美味しい。


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鴨の山椒焼き
あえてみかん科の山椒を使うことで、クラシック料理の『鴨のオレンジソース』をイメージしているそうで、添えてあるヤングコーンも鴨が食べているものということで全体的に繋がりがあるひと皿。
山椒のピリリとした刺激がフレンチでは珍しい味わいですが、炭の香りを纏った鴨は厚く切りつけられているので、食べ応えも咀嚼の度に広がる旨味もたっぷりで美味しい。


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すいかのジュース ライムのグラニテ
高知県ブランドすいかの「ルナピエナ」を使い、強烈な甘味の中にライムのグラニテで酸味を加えており、爽やか。


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黒タンの炭火焼き
丸々一本のタンを炭火で焼き上げてから、仕上げに藁で薫香をつけており、供されるとふわりと香ります。
確りと焼き上げており、タン自身の脂で揚げ焼きのようになって、表面はカリカリとして中心部はサクサクとした食感が生まれます。濃厚な牛の出汁のソースで旨味を足すことで更に美味しく、静岡県産の山葵を付けることで鮮烈な爽やかさが生まれます。


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バーミキュラで炊いたオマール海老のご飯
オマール海老の出汁に海老味噌を入れたソースを混ぜ込み、軽く火を入れた海老味噌と身と海老爪フライを盛り、仕上げに海老と魚の出汁をかけたオマール海老を丸ごと使ったリゾット風ご飯。
季節を通して色々な食材がありますが、オマール海老は意外にも初めて。全体を混ぜ込むようにしていただくと、海老の出汁・海老味噌・海老の身の旨味の波状攻撃のような味わいが口に広がります。更に追いスープをすることで、最後の米一粒まで美味しい。


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13皿目のカレー
小麦粉やバターを極限まで減らして、軽さを求めたフレンチカレー。今回は特に牛肉の旨味を強く感じました。


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ウフアラネージュとピーチメルバ
アーモンドの砂糖がけでカリカリッとした食感を与えて、木苺ソースの程よい酸味で夏らしい味わいに。


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八女茶のクレームブリュレとフィナンシェ
しっとりよりも軽さを求めたフィナンシェは、ザクザク感とアーモンドの香りがふわりとして美味しい。

銀座にある劇場型カウンターフレンチ「銀座 大石」に再訪。今回のコースは定番となっている『フォワグラ最中』や『フレンチ鮨』がなく、全体的に軽い仕立ての料理が多く、歴代の「銀座 大石」の中でも人気の高いコース内容だそうです。個人的には「これぞ、フレンチ!」というような料理が好きなので、オーナーシェフの大石 義壱さんの料理はどストライクなのですが、今回の料理の中でホワイトアスパラや鴨の料理のようにイノベーティブなひと皿が見れたのは今後の「銀座 大石」の楽しみの1つです。

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今回もたくさん食べさせていただきました。大石シェフ、いつもありがとうございます!

銀座 大石
東京都中央区銀座2-10-11 マロニエ通り銀座館 2F
03-6278-8183
フレンチ / 銀座一丁目駅東銀座駅銀座駅

昼総合点★★★★ 4.8



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nao.の最高のランチ「銀座 大石 #8」
- 2022/03/26(Sat) -
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neoclassic/銀座 大石


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Menu du jour


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バター茶
チベットで飲まれるアールグレイとミルク、少量の塩で作られるバター茶。胃を温めるようにと供されますが、個人的には「よし!食べるぞ!」という合図のような感じw


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牡丹海老と燻製キャビアのグジェール
「お手をどうぞ!」と手渡されるアミューズは、大石さんなりの美味しい挨拶。今回は北海道増毛産の牡丹海老を使ったもので、ねっとりとした牡丹海老の旨味と甘味の後にキャビアの薫香が鼻から抜けます。


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馬糞雲丹のコンソメゼリー寄せ カリフラワーのムース
北海道浜中産の馬糞雲丹を使った「北島亭」のスペシャリテのオマージュ。穂紫蘇が乗せられたコンソメゼリーは雲丹の味わいを楽しめるように柔らかく淡くて、まるで和食料理のよう。しかしながら、カリフラワーのムースと混ぜ合わせることで確りとフレンチになります。


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媛スマのフレンチ鮨
今回は愛媛県産の「媛スマ」を使ったフレンチ鮨。タタキにして薫香をつけた媛スマ・ワカモレ・ロックチャイブ・25年のフレッシュの2種のバルサミコ酢で仕上げたシャリで構成されています。
口に入れると、鮪のような鰹のような全身トロの「媛スマ」の濃厚な旨味がグッときて、ワカモレのコクとバルサミコ酢の酸味が実にいい。確実に精度が上がっているフレンチ鮨は、和食とフレンチの融合を感じさせます。


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虎河豚の白子のすりながし
定番の『鼈コンソメスープ』の位置付けに供されたのが、小さなストウブ鍋に入った『虎河豚の白子のすりながし』。
白子の無垢で甘味のある味わいは濃厚で、中に入っている白菜は芯・葉・中心部を使うことで食感のコントラストを変えており、和食のすりながしとはひと味違った美味しさがあります。


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銀座大石の八寸
啓翁桜が彩られた今回のオードブルバリエは8種の野菜のゼリー寄せ、鰆のスモークとキタアカリのテリーヌ、パテアンクルート、紫キャベツのマリネ。
コレだけで、ワインが1本空いてしまいそうな美味しさ。出来るならば、ゆっくりと食べたいところ。白眉なのは、鰆のスモークとキタアカリのテリーヌでしょうか。スモークされた鰆とベーコンの旨味の中で、キタアカリの甘味が映えます。


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フォワグラとリンゴの最中
2019年にいただいた最中がここにきて復活!最中の中にはフォワグラのテリーヌ・リンゴのコンポート・フレッシュリンゴ・胡桃のキャラメリゼ・カルバドスが入っており、濃厚なフォワグラの旨味がリンゴの爽やかな甘味と合わさって、実に美味しい。


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黒トリュフのパイ包み焼き ペリグーソース(追加)♡♡
今シーズンも終盤になり、香りだけでなく甘味を感じるようになったという仏・ペリゴール産黒トリュフ50gとフォワグラ100gを使ったパイ包み焼き。この仕立ては世界でも4軒(5軒目が現れたらしい)のみという貴重なメニューです。
この厚みこの量の黒トリュフをゴリッとかじる経験はなかなかなく、年に一度のお楽しみです。供された瞬間から香る蠱惑的な黒トリュフとフォワグラの旨味を吸ったパイ生地の甘い香りが素晴らしく、鏡のように輝く濃旨なペリグーソースが実に美味しい。決して安いお値段ではないですが、年に一度の贅沢をすべき美味しさだと思います。


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太刀魚のボンファム
千葉県竹岡産の太刀魚とマッシュルーム・玉葱のデュクセルを使った『貴婦人風』という名のまさにどクラシックな料理。
バターをたっぷりと使う料理のイメージですが、見た目よりもずっと軽やか。しかしながら旨味は濃い味わいで美味しい。バターを使わない代わりにフュメドポワソンとノイリープラット?をギュッと煮詰めて煮詰めて、旨味を出しているそうです。「バター使わずにこの旨味この濃厚さが出るならば、バターはいらないのでは?」そう思えてしまうほどの美味しさ。


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大山地どりのローストチキン
鳥取県ブランド鶏「大山地どり」をフライパンで丸のままじっくりと焼き上げて休ませ、解体した後仕上げに焼き上げたローストチキンとDJ炭ブースで真っ黒に焼き上げた仏・ロワール産極太ホワイトアスパラを一緒に盛り付けられます。胸肉と腿肉の部位は鶏出汁をギュッと煮詰めたソースで、ホワイトアスパラの炭火焼き・筍はほろ苦い蕗の薹のソースでいただきます。
胸肉はフライパン1つでもここまで超絶しっとりとなるのかと驚き、腿肉は溢れる旨味が心響く美味しさ。いつもながらに豪快に丸々一羽を焼き上げるのは「銀座 大石」の真骨頂的な存在感があり、部位によってがらりと変わる味わいを一度に食べられるのは同じように塊で焼く牛肉などにはない魅力だと思います。鶏好きな私としては、「北島亭」時代にはなかなか食べることが出来なかった鶏料理をここで食べることができて嬉しい。


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すいかのジュース ライムのグラニテ
高知県産の「ルイピエナ」を使った口直しのジュース。とても糖度が高いので、ライムのグラニテを入れることでさっぱりと仕上げています。


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和牛頰肉とテールの赤ワイン煮の盛り合わせ
ダブルメインの最後はクラシックな赤ワイン煮。左側にはフルフルとした頰肉と右側には舌に絡みつくテール肉、そして燻製をかけた雪下にんじんのピューレが添えられます。
脳を震わせるようなコクの中で程よい酸味があり、お手本のような味わいで実に美味しい。ガルニの雪下にんじんのピューレは意外にも口直し的な存在感で、食べる度に「おー!」と心の中で歓声が上がりました。


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バーミキュラで炊いた虎河豚のご飯
虎河豚の骨などで取った出汁で炊いたご飯に炭火焼きした白子を混ぜ込み、身はフリット・てっさにして盛り付けてから仕上げに出汁をかけて供されます。
フレンチでご飯ってどうなの?ということを払拭するくらいに「銀座 大石」では定着したフレンチ〆ご飯。色々なバリエーションがある中で、今回の虎河豚は特に好きなご飯です。白子が混ぜ込まれたご飯は旨味が濃厚で、出汁をかけて半生になったてっさのモチモチ感がとてもいい。ちなみにお願いすれば、追い出汁もできるのでオススメです。


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「銀座 大石」13皿目のカレーライス
コレだけの量を食べ終えた後でもペロリと食べてしまう方が多い魔法のカレーは、小麦粉やバターなどを使わずに玉葱・人参などでとろみを出した軽やかなカレー。


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マールのソルベ たまたまのシロップ煮添え
フランスの定番食後酒のマールを使ったソルベ。添えてあるのは、宮崎県ブランド金柑の「たまたま」のシロップ煮。


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苺のタルト
極薄のタルトには超滑らかなカスタードと茨城県ブランド苺「いばらキッス」を乗せた苺タルト。甘味を極限にまで抑えた味わいで、最後まで軽やか。

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店主・大石 義壱さんが掲げる今回のテーマはネオ・クラシック。コース前半は和食テイストな料理が多く、後半にはこれぞフレンチというクラシック料理の構成スタイルで、今回も実に大満足。しかしながら、フレンチの要であるバターを極力使わないことがネオ・クラシックと称する所以で、実際に使っているのは『バーミキュラで炊いた虎河豚のご飯』だけだそうです。
にも関わらず、食べる度に感じる深みある旨味はフレンチにおいてのバターの存在価値を問いかけるようでした。バターを使わずに素材を巧みに使うことで料理は軽やかに仕上がり、この品数でも胃もたれなどせずに食べることができる…これこそが「銀座 大石」の魅力の1つだと思います。

今回もたくさん食べさせていただき、ありがとうございました!

銀座 大石
東京都中央区銀座2-10-11 マロニエ通り銀座館 2F
03-6278-8183
フレンチ / 銀座一丁目駅東銀座駅銀座駅

昼総合点★★★★ 4.9



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nao.の最高のランチ「COTE D'OR #9」
- 2022/03/17(Thu) -
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美食の丘へ/COTE D'OR(三田)


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Le menu du jour


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鴨と猪のリエット
初めてのアミューズ。よく見る「桜海老のトースト」よりも香りがない分、口に入れた瞬間に広がる旨味が凄い。


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魚介のソーセージ
鰆・帆立・穴子を使った魚介ソーセージをエシャロットソースで。旨味が凝縮されたソーセージの中には粗く切られた鰆が入れてあり、単調な食感を変えつつ旨味をプラスしてくれます。添えてある蕪の甘味も素晴らしい。


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ヴォーグリューズ産 黒トリュフのかき卵/René Bouvier Gevrey Chambertin La Justice♡♡
この時期のお楽しみの1つが黒トリュフを使った料理。まずは『黒トリュフのかき卵』から。全くもって映えないその見栄えですが、超絶に美味しい。供された瞬間に皿から立ち上る黒トリュフの蠱惑的な香り、口にすると赤ワインのコクの中で卵の甘味と旨味が広がります。私の中で最高の卵料理と言っても過言ではありません。ソムリエの大園さんが選んで下さった『René Bouvier Gevrey Chambertin La Justice 2019』の華やかなピノノワールの香りとも素晴らしいマリアージュ。


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ヴォーグリューズ産 黒トリュフのパイ包み焼き♡♡
そして、今年はもう1つのスペシャリテである『黒トリュフのパイ包み焼き』も事前に予約しておきました。供された皿からは焼き上がったパイのバターの香りが食欲を誘います。カットされた断面もとても美しいですが、食べるとまさに美しい味わい=美味。トロリととろけたフォワグラの旨味にゴリッとした食感の塊の黒トリュフ、そしてバター香るサクサクのパイ生地。脳が震えるほどに美味しい♡


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山口県 マナガツオのムニエール マスタードソース/Bouchard Père & Fils Meursault
メニューでエシャロットソース記載されていたのに何故にマスタードソース?と不思議に思っていたら、先程いただいた『魚介ソーセージ』がエシャロットソースだったので、変えてくれたようです。さりげない心遣いが非常に嬉しい。マスタードソースの柔らかな酸味の中で映えるマナガツオの旨味。咀嚼の度にぶわーっと溢れてきて、甘味と旨味が口いっぱいに広がります。マナガツオを存分に堪能できるボリュームも素晴らしい。


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国産牛テールの煮込み 赤ワインソース/Mongeard Mugneret Fixin 2017♡♡
久しぶりにいただく不滅のメインディッシュ。皿の上に鎮座する赤ワインのみで煮込んだという牛テールの肉塊は面白いように骨から外れ、ケモノ臭さなどは微塵もなく、芳醇なワインの香りと力強い旨味が食べた瞬間にグッときて、後味に肉の甘味が広がります。添えてある人参のピューレを付けて食べると、味わいに奥行きが生まれるよう。


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苺のスープ ワイン風味
この季節のスペシャリテは、やはりコレでしょう。スープというよりかは苺そのもので、苺の酸味や甘味が十分に引き出されていて、実に美味しい。


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ミニャルディーズ
ハーブティーと共に。じっくりと余韻に浸れるひと時。

1番美味しかった料理は?と聞かれても、悩んでしまうくらいに全てが美味しくて心に響きました。無骨でありながらも余計なものを削ぎ落として洗練された料理は何十年も多くの人を魅了しており、まさにスペシャリテの名に相応しい味わいでした。そして、支配人の松下さんをはじめとする日向のような暖かいサービスはいつ訪れても素晴らしく、オーナーシェフ斉須 政雄さんの料理を更に輝かせていると思います。料理・人・空間、全てがいつまでも色褪せないレストランがここにあります。

COTE D'OR
東京都港区三田5-2-18 三田ハウス 1F
03-3455-5145
フレンチ / 白金高輪駅三田駅田町駅

昼総合点★★★★★ 5.0



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nao.の最高のランチ「北島亭 #10」
- 2022/02/25(Fri) -
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力強くも繊細に

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真冬は非常に好きな食材が多くなって、お店選びも悩んでしまいます。今回はガッツリとフレンチを食べたくなってやってきたのは、四ツ谷にある「北島亭」。日本のフランス料理界のレジェンドの1人である北島 素幸さんのお店です。最近、皿を埋め尽くすほどのボリューム感はそのままに、より素材の旨味を活かす味わいで、更に美味しくなったと密かに話題になっていたので非常に楽しみ。今回もランチ利用で、基本的に3品にしようと思いましたが…


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Le menu du jour

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下仁田葱のキッシュ
サクサクなパイの中で、トロトロのアパレイユとジューシーな下仁田葱の甘味と香りが広がります。


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ホワイトマッシュルームのクリームスープ
口を近づけると香るマッシュルーム、ファーストアタックはガツンとくるマッシュルームの味わいで、その後にクリームの優しさが広がります。


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天草産 ホロホロ鳥のパテアンクルート
外側のパイ生地はサクサク、ギュッと旨味が濃縮したホロホロ鳥の味わいの中で、パテ生地には黒トリュフとフォワグラも入っているので、ひと口毎に変わる味わいが魅力的。


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北海道産まだらの白子のパイ包み焼き トリュフ入り
「北島亭」の白子と言えば、『白子のムニエル トマトソース』が定番と思っていましたが、見たことのないメニューだったので注文。
供された料理は、なんとパイ包みのスープ仕立て。バター香るパイをサクサクと突き崩すと、ふわりと黒トリュフとスープのいい香りが漂います。フュメドポワソンのクリームスープの中にあるのは、白子・鴨のつくね・百合根・黒トリュフ・三つ葉。鴨のつくねは旨味がたっぷりで、ゴロゴロと入っている白子はとてもクリーミーで、実に美味しい。新しい魅力的な料理です。


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ヒゲダラのポワレ 柚子香るブールブランソース
供されると柚子の香りが華やぐ皿には、ベーコンと共に焼き上げたヒゲダラを白菜の煮汁を使ったブールブランソースでいただきます。
カトラリーを跳ね返すようなヒゲダラは口の中でもプリプリとした食感で、仄かな塩味と甘味のある白菜、そして苦味のある菜の花でより際立つヒゲダラの旨味が映えます。ブールブランソースですが、全く重くなくて素材本来の味わいを楽しめるような仕立てで、「北島亭」のイメージがガラリと変わるひと皿。


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丸ごと一羽 伊達鶏のドゥミドゥイユ風
冬の名物料理と知りながらも、初となる伊達鶏を丸ごと一羽味わう『ドゥミドゥイユ』。「半喪服」という意味を持つこの料理は、真っ白に仕上げた素材に黒のトリュフを合わせることから名付けられたそうで、黒トリュフシーズンには食べたい冬のご馳走の1つです。
供された皿の上には、スライスされた黒トリュフと多くの野菜の中に隠れているかのような胸肉があります。口にすると、皮のプルプルとした食感の中で胸肉は超絶にしっっっとり!そして、何よりも驚いたのがソース。超絶濃厚なクリームソースを想像していたのですが、鶏の旨味を全面に出したブイヨンのような感じ。鶏本来の旨味も活かしており、鶏が美味しすぎます!


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柚子のグラニテ
口直しのグラニテは、爽やかな柚子。一気にリフレッシュできます。


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洋なしの赤ワインのコンポート シナモンアイス添え
真っ赤に染まった洋なしの大人の甘さとシナモン香るアイスが個別に食べても、一緒に食べても美味しい。


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ミニャルディーズ
サブレ・ドフィノワ・クロカンオザマンド・ノワドココと定番のミニャルディーズ。店内は勿論、食べきれなかったら持ち帰って自宅でも余韻に浸れます。

久しぶりの「北島亭」。以前に比べると、メニュー数は減りましたが、それでも「どうしよ?アレもコレも食べたい!」と思える悩ましい料理ばかりで選ぶ楽しみがあります。そして想像しえるドッシリとした重厚なフレンチではなく、素材の旨味を研ぎ澄ますような味わいで、実に軽やかで美味しい。クラシック=古めかしいと思われがちですが、歴史に名を残すようなクラシックフレンチの料理はやはり美味しい。それを現代に合うように体現される北島シェフの料理は心打つ美味しさがあり、元気をくれる感じがします。今回もご馳走様でした!

北島亭
東京都新宿区三栄町7 JHCビル
03-3355-6667
フレンチ / 四ツ谷駅四谷三丁目駅曙橋駅

昼総合点★★★★ 4.8



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